近大マグロ:クロマグロの完全養殖化
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「近畿大学」の記事における「近大マグロ:クロマグロの完全養殖化」の解説
水産研究所は世界初となるマグロの完全養殖に成功しており、『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』をはじめ多くのマスコミに取り上げられている。2007年12月より、人工孵化したクロマグロの稚魚を、養殖業者に販売する事業も行われている。また、関連の大学ベンチャー企業「アーマリン近大」を通じて、クロマグロの成魚を大学ブランドの「近大マグロ」としても販売している。 水産研究所ならびに大学院農学研究科は、2002〜2007年度まで文部科学省「21世紀COEプログラム」クロマグロなどの魚類養殖産業支援型研究拠点に採択されていた。また、水産研究所を中核として、2008年度からは文部科学省「グローバルCOEプログラム」クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点に採択されている。 2009年7月29日に水産研究所は、オーストラリアの養殖関連企業「クリーン・シーズ・ツナ」社との共同研究で、世界で初めてミナミマグロの人工孵化から稚魚サイズまでの飼育(種苗生産)に成功したと発表した。これは、グリーン・シーズ・ツナ社単独では実現できなかったミナミマグロの飼育を、クロマグロの完全養殖に成功した水産研究所との共同研究により成し遂げたものである。 2010年9月10日に同学は、クロマグロの完全養殖の事業化において、総合商社の豊田通商との間で技術提携を締結したことを発表した。同社は今回の事業化への取り組みに際し、長崎県五島市に漁業施設「ツナドリーム五島」を設け、同学の技術支援を受けながら、クロマグロの商業生産を先行させたい考えとしている。 2014年7月16日、同学は豊田通商との提携関係を拡大し、完全養殖マグロの大量生産を始めると発表。近代の技術を使い産卵や稚魚育成を行う種苗センターを豊田通商が長崎県五島市に建設し、2015年5月に稼働させ、2020年に日本国内の養殖需要の半分に相当する年間30万尾の「近大マグロ」を生産する計画。
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