軍隊とブーツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 01:27 UTC 版)
軍隊においては、軍服(軍装品)の一種たる軍靴としてブーツが採用されることが極めて多い。この軍用ブーツの場合、日本では上述の乗馬ブーツを長靴(ちょうか)、脛の中間のあたりまでの長さのものを半長靴(はんちょうか)、踝まであるレースアップ(編上げ)タイプの物を編上靴(へんじょうか、自衛隊においては半長靴と呼称)と主に称する。編上靴には脚絆(ゲートル、レギンス。巻脚絆、革脚絆)を合わせて着用されることがある。 脚、足部の保護、足を挫いて捻挫することの防止、保温、ズボン裾の汚れの防止、制服上の差別、儀礼等を目的に着用されている。 軍馬に跨る乗馬本分の軍人(騎兵など)は長靴を履きまた拍車を付けていたが、軍隊の機械化(自動車化)により馬が軍隊で使用されなくなるにつれて拍車共々乗馬ブーツは余り使用されなくなっていった(アメリカ陸軍、イギリス陸軍など)。反面、概ね第二次世界大戦までの近代各国軍(ドイツ国防軍・武装親衛隊、日本陸軍、ソビエト労農赤軍、イタリア王立陸軍、フィンランド陸軍など)では乗馬文化の名残や未だ続く軍馬の利用を含め、乗馬本分の関係無しに乗馬ブーツと対になる乗馬ズボンの組み合わせは将校准士官を中心にポピュラーであった。 第二次大戦後は一部の軍隊(東ドイツ軍、ソビエト連邦軍など)で引き続き長靴が採用されているところもあったが、冷戦終結後の現代の今日では、昔ながらの長靴を採用している軍隊は、栄誉礼やパレード(観兵式・観閲式)などといった式典・行事における儀丈用としてのみ使用されていることが大半で(ドイツ連邦軍、ロシア連邦軍、フランス共和国軍、中国人民解放軍、朝鮮人民軍など)、戦闘用(戦闘服)としては編み上げの半長靴が主流である。なお、戦地や訓練・演習以外の通常勤務(常勤)では、主に普通の紳士靴である革靴(ビジネスシューズ)、古くはトラッドなサイドゴアブーツが主に着用され、これらは半靴(はんか)や短靴(たんか)と呼ばれる。
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