身延線列車火災事故とは? わかりやすく解説

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身延線列車火災事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:16 UTC 版)

日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の記事における「身延線列車火災事故」の解説

1950年昭和25年8月24日15時23分頃 身延線寄畑 - 内船間を走行していた富士甲府行き普通列車第615電車62系電車一代目)と32系電車による4両編成進行方向前からモハ30173+クハ101+サハ701+モハ62001)が、同区間にある島尻トンネル走行中に出火し車両全焼する事故発生当時新聞によると、乗客500名(朝日)または400名(山梨日日)のうち9名が軽傷負ったものの、死者発生しなかった。 事故原因諸説あるが、トンネル進入時にパンタグラフ急降下して折り畳まれたことで、パンタグラフ架線との間にできたわずかな隙間アーク連続発生したことで架線溶断して垂下させ、最後尾モハ62001の屋根接触したことで全車両へと燃え広がったものと推定される。 なお、身延線トンネル国鉄の他の路線比較して天地寸法狭小であり、その走行に対して屋根高さやパンタグラフ折り畳み高さが低くなるようにした専用車両を要する。しかし、この編成含まれるモハ30173は本来はトンネルのない富士 - 西富士宮間の区間運転用車両であり、身延線トンネル通過禁じられていた車両であったのだが、誤って甲府行き充当されてしまったために事故起こしたとみられる編成全車両が全焼したが、モハ62001は焼損状態のまま西武鉄道譲渡されモハ30173は国鉄豊川分工場クハ47023に改造のうえ復旧したが、中間のクハ101サハ701については記録がなく廃車されたものと思われる事故遭った62系電車は、身延線用として折りたたみ時の高さを低く抑えたパンタグラフ導入していたが、この事故により離線距離が充分確保されていない判断された。事故後はパンタグラフ折畳高さ上限を3,960 mm定められ同時に身延線走行する車両に対してパンタグラフ搭載部を低屋根化する改造工事、および不適合車両他地域転配などが行われている。 その後身延線投入され80系800850番台165系62系2代目)115系2600番台、クモユニ143123系373系313系といった後継車両においても、必ずパンタグラフ部の屋根高を低く抑えた車両や、パンタグラフ自体狭小トンネル対応したものが搭載されている。民営化後JR東海においても車両新造の際は一部車両除き身延線への入線考慮した屋根高さで新規設計されたり、既存車にも折り畳み高さを低く抑えられるシングルアームパンタグラフ載せかえるなどの対策行なっており、現在に至るまで建築限界上の特別な影響受けている。 また、身延線同様に狭小トンネル有する中央本線においても、「狭小とされるトンネルを45km/h以下で通過すること」を条件通常の屋根高さの車両使用されることがあったが、当事故後にそれを一掃するべく、翌年1951年7月からモハ30形7両を低屋根改造のうえで中央山線専用配備したほか、防火性狭小トンネル対応した初の全金製屋根電車モハ71形試作車登場した。 この事故によって、国鉄車両火災トンネル事故対策契機はなったものの、翌年1951年には桜木町事故によって当事故よりも多く死傷者被害を出す大惨事起こってしまった。

※この「身延線列車火災事故」の解説は、「日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の解説の一部です。
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