距離と明るさ
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恒星までの距離測定には、一般的に年周視差が用いられる。これは地球が公転運動する中で、近距離の恒星が遠距離の恒星に対して見かけ上の位置に生じる差を観測するもので、1秒角の視差がある時、公転軌道の中心にある太陽からその対象までの距離をパーセク(pc)で表す。1pcは3.26光年、2.06×105AUそして3.08×1013kmである。現在判明している年周視差が最大、すなわち太陽の次に近い恒星はケンタウルス座α星であり、視差0.76秒角、距離1.32pcつまり2.72×105AUとなる。この年周視差を用いる計算法は地動説確立後に間もなく意識され、18 - 19世紀ごろから観測が始まり、1837 - 38年ごろに手段として正しさが確認された。 恒星までの距離が判明すれば、本来の明るさである絶対等級が計算できる。ある恒星までの距離を10パーセクとした場合に見える視等級を表す。
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距離と明るさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 04:07 UTC 版)
かに座55番星は太陽系近傍の恒星の1つである。ヒッパルコス衛星の観測によればかに座55番星Aの年周視差は79.80ミリ秒で、恒星までの距離は12.5パーセク(41光年)と計算されている。主星の視等級は5.95で、条件が整わないと肉眼での観測は難しいものの双眼鏡を用いれば容易に目視できる。伴星は13等級と暗いため観察には望遠鏡が必要である。
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距離と明るさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:46 UTC 版)
HD1は、観測可能な宇宙内において最も古く最も遠い距離に位置している可能性のある候補天体である。観測データからの発見当初は、遥かに近いところにある銀河としてカタログ化されていたが、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 (ALMA) による正確な分光観測の結果、HD1のスペクトル中に見られたイオン化した酸素のスペクトル輝線の赤方偏移が z = 13.27 に達していることが判明した。これは2016年に発見され、それ以前まで最も赤方偏移が大きいことが知られていたGN-z11(z = 11前後)を上回っており、これに基づくと地球からの見かけの距離は約135億光年(約41億パーセク)に及ぶ。これはGN-z11よりも約1億光年遠く、HD1はビッグバンからわずか3億3000万年後に存在していたことを示している。現在は宇宙の膨張(英語版)により、約334億光年離れた場所に位置していることになり、これはGN-z11よりも10億光年以上も遠い。研究グループのメンバーの一人である早稲田大学の井上昭雄によると、この赤方偏移を示すスペクトル輝線の信号の有意度は99.99%であるとしているが、完全に正しいと確信できる99.9999%以上の有意度には達していないという。 HD1の明るさから全体の質量は少なくともGN-z11と同等である太陽の10億倍はあると推定されている。HD1は紫外線波長において非常に明るくみえる。その原因として、HD1が大質量の恒星の星形成が活発なスターバースト銀河またはクエーサーである可能性と、銀河内に存在する活発な超大質量ブラックホールからの物質の放射による可能性が挙げられている。前者が正しい場合、HD1では毎年100個以上もの恒星が形成されていると推定され、通常のスターバースト銀河よりも10倍以上のペースで星形成が進んでいることになる。これを説明するためにHD1では、高温で大質量であると考えられている種族IIIの恒星が形成されているという可能性が示されている。後者が正しい場合、赤方偏移を z = 13.3 と仮定すると、その超大質量ブラックホールの質量は太陽の約1億2000万倍に達すると推定されている。これが事実であれば、これまでに発見されていた最も古い超大質量ブラックホールよりもさらに約5億年も古いということになる。しかし、これほどの大質量のブラックホールがどのようにしてビッグバンからわずか3億3000万年という宇宙論的に短い期間で形成されたのかという疑問が残る。
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