論点先取
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論点先取(ろんてんせんしゅ、英: Begging the question、羅: Petitio Principii)とは、証明すべき命題が暗黙または明示的に前提の1つとして使われるという誤謬の一種[1][2][3][4][5]。論点先取の虚偽(ろんてんせんしゅのきょぎ)とも言われる[6]。論点先取は、循環論法の誤謬と関連している。西洋での最初の定義としては、古代ギリシアの哲学者アリストテレスが紀元前350年ごろに行ったものが知られており、その著書『分析論前書』[7][8]や『詭弁論駁論』にある。
- ^ Fallacy: Begging the Question The Nizkor Project
- ^ begging the question - Skeptic's Dictionary
- ^ Fallacy:Circular Reasoning San Jose State University
- ^ beg the question - Definitions from Dictionary.com
- ^ 論点先取 懐疑論者の祈り
- ^ 『大辞林 第三版』。『哲学事典』「アリストテレスの虚偽論」「虚偽」平凡社、1971年。「論点窃取の虚偽」とも訳される(近藤洋逸・好並英司『論理学入門』第2部「第5章 虚偽論」岩波書店、1979年、136ページ)。
- ^ 英: Prior Analytics
- ^ (アリストテレス 2014, pp. 270–274, 第二巻 第一六章 最初の論点を要請すること(論点先取))
- ^ 田中秀央編『増訂新版 羅和辞典』研究社、1966年、58ページ。大日本百科辞書編輯所編『哲學大辭書』「羅和索引」(同文館、1912年→修正三版1918年)3238ページでは「未證點竊取の虚僞」とも。
- ^ ギリシア語ラテン翻字: to en archei aiteisthai
- ^ 英: Fowler
- ^ 船山信一『明治論理学史研究』理想社、1966年、118・121ページ。
- ^ Michael Quinion, Beg the Question, The New York Times, 2008年3月5日閲覧
- ^ 本来はbegetsとなる
論点先取 (petitio principii)
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「詭弁」の記事における「論点先取 (petitio principii)」の解説
詳細は「論点先取」を参照 A「Bさんは勤勉な人だから、仕事を怠けるはずがないよ。」 Aの発言は、前提の中に結論を導く事が出来る情報を「あらかじめ」含めている。このように、見掛け上は『論理』の形になっているものの実際は同義反復の推論を論点先取と呼ぶ。同義反復(「XはXである」という演繹)は恒真命題であるが、何かを証明する内容ではない。Aの発言は、「ルノワールは偉大な画家である。何故なら、素晴らしい画家だからだ」と論理構造が等しい(このように発言するだけでは、ルノワールについて何も証明した事にならない)。論点回避の一つ。先決問題要求の虚偽。論理構造としては、「(勤勉な人はすべて仕事を怠けないと仮定する。Bさんは勤勉な人であると仮定する。すると)Bさんは勤勉な人である。故にBさんは怠けない。」「(素晴らしい画家は偉大な画家であると仮定する。ルノワールは素晴らしい画家であると仮定する。すると)ルノワールは素晴らしい画家である。故に偉大な画家である。」仮定の部分の論点を先取り(回避)した論理構成となっている。
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