同値である場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/14 09:19 UTC 版)
前件を否定していたとしても、他の妥当な形式も備えた論証であれば、論証は妥当となることもある。例えば、P と Q が同じ命題であることが示されれば、この形式であっても妥当となることは自明である。ただしこれは論点先取の誤謬となって、論証にはならない場合もある。一般に、日常会話での妥当な前件否定となる主張は、「もし - ならば」の前提部分が実際には同値関係の主張になっていることが多い。例えば もし私がアメリカ合衆国大統領なら、議会の議決を拒否できる。 私は大統領ではない。 従って、私は議会の議決を拒否できない。 この主張の前提部分は明らかに同値関係であり、大統領であるときだけ議決を拒否できるため、全体として妥当な主張となっているのである。しかしその場合でも、妥当性は前件否定として生じるのではなく、モーダストレンスの形式であることから生じているのである。
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