論点のすり替えとは? わかりやすく解説

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論点のすり替え

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 08:30 UTC 版)

論点のすり替え(ろんてんのすりかえ、ラテン語: ignoratio elenchi)は、非形式的誤謬の一種であり、それ自体は妥当な論証だが、本来の問題への答えにはなっていない論証を指す。"ignoratio elenchi" とは ignorance of refutation(反駁とは何であるかを知らないこと)の意。"elenchi" はギリシア語の έλεγχος に由来し、反駁の主張・論証を意味する[1]論点相違の虚偽(ろんてんそういのきょぎ)[2]論点無視の虚偽(ろんてんむしのきょぎ)ともいう(広辞苑)。

アリストテレスは、論点のすり替えは相手の主張に反駁する際に犯してしまう間違いであると考えていたため、その当人が反駁とはどういうものかについて無知なのだと述べた。アリストテレスにとって、論点のすり替えは論理を知らないことに等しい。実際、アリストテレスはすべての論理的誤謬は論点のすり替えに還元されるとまで言っている。

燻製ニシンの虚偽

論点のすり替えに似たものとして燻製ニシンの虚偽 (Red herring) がある。これは意図的に論点をすり替えたり、故意に議論を発散させたりする行為を指した、批判的な用語である。この奇妙な用語については、猟犬の訓練に燻製ニシンを使い、猟犬が燻製ニシンの臭いに惑わされないようにしたことに由来すると説明されるが、語源学者のマイケル・キニオンによれば1800年代の週刊新聞ジャーナリストのウィリアム・コベットがこの比喩をもちいたことに由来するものらしいほか、実際の猟犬の訓練ではそのようなトレーニングが行われるようなことはないようである。

お前だって論法

お前だって論法 (Tu quoque) も、意図的な議論の発散を狙ったものと言える。これは、相手の主張やアドバイスについて、発言者自身もそれができていないことを指摘するものであるほか、人身攻撃と共に使われて発言者を貶めるような文言が含まれることが多い。

脚注

関連項目

外部リンク


論点のすり替え

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 03:04 UTC 版)

批判的思考」の記事における「論点のすり替え」の解説

論点ずらし、論点のすり替えには以下の種類がある。 権威に訴える論証 伝統に訴える論証:「前例がない」として却下することが常に行われる進歩がなくなる。 多数派論証衆人に訴える論証) (appeal to bandwagon, appeal to popularity) 人格攻撃論法人身攻撃状況に基づく対人攻撃論法 (ad hominem circumstantial) お前だって論法 (Tu quoque) 多重質問の誤謬 (loaded question) わら人形論法ストローマン, straw manこのような誤謬発する人には特定の人や立場偏見持って、話を聞こうとしない姿勢から誤謬生じることが多い。誤謬解消するには、「初めに敵ありき」的な議論をする人が、議論姿勢改めるか、あるいは、敵対的な議論議論打ち切ろうとする人が公平な議論阻害しているということ多くの人が納得するまで事態の推移辛抱強く待つか、のどちらか一般的な解決法である。

※この「論点のすり替え」の解説は、「批判的思考」の解説の一部です。
「論点のすり替え」を含む「批判的思考」の記事については、「批判的思考」の概要を参照ください。

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