試合・騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 08:19 UTC 版)
2005年3月30日の2006年サッカーW杯アジア予選グループB最終予選の北朝鮮-イラン戦では、審判の判定に憤慨した観衆が椅子をグラウンドに投げつけ、イラン代表を乗せたバスを取り囲むという事件が起きた。そのため、北朝鮮はFIFAから2万スイス・フランの制裁金を課され、同年6月8日に本競技場で開催される予定だった同最終予選北朝鮮-日本戦は、タイでの第三国無観客試合となった。 2011年11月15日の2014年サッカーW杯アジア予選3次予選グループCでは、本競技場で北朝鮮-日本戦が開催された。日本戦が平壌市内で開催されたのは、22年ぶりとなった。 2017年4月の金日成競技場でアジア・サッカー連盟(AFC)の女子アジア・カップ予選の試合を行った韓国人選手たちは、機械のように一糸乱れぬ動きを見せる5万人の観衆に驚いた。池笑然は「応援の熱気があまりにすごく、ひょっとして家に帰れないのではないかと思った」、キム・ジョンミは「試合開始を前に、私たちが頑張ろうと叫ぶと、それを聞いた北朝鮮の選手たちが『殺してやろう』と対抗してきた」「競技場の圧倒的応援はむしろ北朝鮮選手にとって重荷として作用する可能性もあるため、気持ちで押されてはいけない」と語っている。 2019年のW杯予選の南北戦で北朝鮮が選手団を除く韓国側人員の訪朝を何の説明もなく不許可にしたため、韓国代表チームは報道陣も応援団も1人もいないテレビの生中継も無い中でプレーするという異様な状況での試合を強いられた。朝鮮日報は「北朝鮮は2011年に平壌で日本とW杯予選をした際に生中継したが、韓国に対しては冷淡だ。」「「付き合わない」「ゆでたウシの頭」「おじけづいたイヌ」と北朝鮮に嘲笑されても2032年ソウル・平壌五輪共催を主張する文在寅大統領だが南北でサッカーを1試合するのも難しいのに何が五輪共催なのか。」と批判している。 韓国国内世論からも無観客・無中継・引き分け、予選が生中継されないという異例の事態に文大統領の就任時の演説になぞらえて「本当に一度も経験したことのない国になった」「こんな非正常的な国と正式に五輪を共に開催できるのか」、「五輪の共同開催が実現するにしても、またしても北朝鮮へのバラマキになる」「ここ3年間でわれわれの知らないカネまでばらまいておきながら、手にした結果がこれか。北朝鮮はわれわれを金づる以上には絶対に考えていない」、脱北者団体からも「仮に共同で五輪を開催するならば、全国の北朝鮮一般住民が平壌で想像できないような苦痛を昼も夜も関係なく受けるだろう」、FIFAからも「試合の生中継、ビザ発給問題、外国記者の接近などに関する問題を知り驚いている。言論の自由は最も重要な価値だ」と北朝鮮の顔色ばかり伺って何も出来ずに共同開催のみを主張している韓国政府への批判の声で埋まった。
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