試作名称(計画名称)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 05:52 UTC 版)
「軍用機の命名規則 (日本)」の記事における「試作名称(計画名称)」の解説
旧日本陸軍は試作名称(計画名称)に機種やメーカーの区別なく統一した「キ○○」(キ番号、例:キ100)の通し番号を使用した。これは、1933年(昭和8年)に制定された陸軍機の試作名称で、キは機体(キタイ)を意味する。キ番号は陸軍の機体開発計画順に割り当てられ(例:キ1 九三式重爆撃機)、以後120番台に達した。これ以降は140・160・170番台(例:キ167)が若干使用された。また、陸軍の要求・協力により開発されたものの、純粋な軍用機ではない研究機・実験機であるキ77「A-26」、キ78「研三」などにもキ番号は充当されている。大戦末期にロケット機、ジェット機が登場すると200番以降の番号が割り振られた(例:キ200「秋水」、キ201「火龍」)。 キ番号は新型機の開発指示時点で付与されるものであるため、本格的な試作段階(試作機製造)に進む前の計画段階で開発中止となった機体もキ番号を持つ。また、機体が制式制定され、制式名称が付された以降も形式を表す記号として使用された。なお、制式採用前や制式名称が付される前に実戦部隊に配備される機体も多く(例:キ44、キ61、キ102など)、また使い勝手や語呂の良さから制式制定後も現場将兵の間では、制式名称・愛称とともにキ番号で呼称されることも多かった(例:「ロクナナ」・キ67 四式重爆撃機「飛龍」、「ハチヨン」・キ84 四式戦闘機「疾風」)。 なお、グライダーは当初キ番号に含まれていたが(キ23 - 26)のちに独立し、「ク○○」(ク番号。グライダー/カックウキ、グライダー/滑空機)が作られた(例:ク8-II)。そのほか陸軍技術本部主導で開発されたオートジャイロには「オ○○」(オートジャイロ)を付した(例:オ1)。他の航空機材についても、航空エンジン(ハツドウキ、発動機)には「ハ○○」(ハ番号。例:ハ112-II)が、航空機関砲(キカンホウ、機関砲)には「ホ○○」(例:ホ103)が、航空機関銃には「テ○○」(例:テ4)が、プロペラ(プロペラ)「ペ○○」(例:ペ32)、航空無線機(ムセンキ、無線機)には「ム○○」(例:ム4)、ジェットエンジン(ネンショウフンシャスイシンキ、燃焼噴射推進器)には「ネ○○」(例:ネ130)などの名称が充てられた(例として、「ハ112-II」には「三式一五〇〇馬力発動機」、「ホ103」には「一式十二・七粍固定機関砲」、「ム4」には「四式飛三号無線機」といった制式名称が別につく)。
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