試作全金属改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 20:00 UTC 版)
1947年に63系の試作車として登場したジュラルミン電車6両 (63900 - 902, 78200 - 202) は、車体の腐食が進行したため、全金属車体の試作車として1954年に車体更新工事を実施した。この6両は、量産車の仕様の比較検討用に車内の掴み棒の形状や位置、蛍光灯の配置や色彩など車内設備の仕様が1両ごとに変えられた。同時に車種の変更も行われ、それぞれ72900, 73901, 72901, 79900, 79902, 78900となった。車体は窓上下の補強帯が残るなどいささか旧来の仕様を踏襲する面も見られたが、側窓は開放的なアルミサッシとなり、運転台前面形状も各種のものが試作された。 1956~1957年には、事故休車を活用して全金属車体の追加試作が実施され、73174, 73400, 78144 が車体を載替えられ、73900(改造当初は73174のままで1957年3月に改番), 73902, 79904となった。こちらは、前述の920番台新製全金属車に近い仕様で、車体は1956年施工の73900のみ窓上下の補強帯が残るものの、1957年施工の73902、79904は平滑である。前面窓は920番台新製全金属車より1枚あたりの幅が110mm広いガラスを使用し、ガラス間の柱が25mm幅(920番台では100mm幅)と非常に細く、10度の傾斜がつけられている為、101系に酷似した前面形状となった。また、73900では前照灯を半埋め込みとし、前面窓上中央に大型の方向幕を設置する試作が実施され、この方向幕配置は後の301系で活かされた。73902、79904の両車は920番台の先行量産試作車よりも後の落成で、920番台では側面乗務員扉が木製であったが、本グループは乗務員扉も鋼製となっており、よりスマートで近代化された形態となった。
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