試作像の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 00:11 UTC 版)
山形県の藤島町役場(2005年より鶴岡市役所藤島庁舎)には、正体不明のまま保管されていた石膏製の犬の像があったが、これは2006年(平成18年)、地元の薬剤師・高宮宏によって、渋谷駅前に再建された忠犬ハチ公像の試作品であることが明らかにされた。 この石膏像は、再建像を制作した彫刻家、安藤士によって1947年(昭和22年)に制作されたもので、実際の銅像の完成後には安藤が作業場として使っていた借家を家財ごと女優の三條美紀が購入した事がきっかけで、三條の父で藤島町出身の佐藤円治(元俳優・映画制作会社役員)の手に渡った。その後、持ち主を転々として、最終的に1985年(昭和60年)藤島町役場の新庁舎完成記念として建設会社から役場に寄贈されて、保管されていた。この事実が判明後、鶴岡市役所藤島庁舎はこの像を展示し、一般に公開していた。 2012年(平成24年)6月24日からJR鶴岡駅構内に、ひな人形展示の時期を除き公開されている(4月15日から翌年の2月15日まで)。 この試作像が見つかった鶴岡市は、忠犬ハチ公を世に知らしめた斎藤弘吉の出身地でもあったことから、これらに関する活動が盛んに行われるようになった。2006年(平成18年)11月3日には、「鶴岡ハチ公像保存会」が設立された。同会はハチ公石膏像の保存や普及、斎藤弘吉の偉業の普及、およびハチの兄弟子孫の調査などを活動内容としている。初代会長には石膏像の出自を明らかにした薬剤師・高宮、副会長には勝木正人、事務局長には黒羽根洋司が就任した。
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