観光とギャンブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 00:07 UTC 版)
2018年には3580万人を越える観光客がマカオを訪れた。最多は、約2500万人の中華人民共和国本土からの訪問客であり、香港からの観光客約630万人がこれに次ぎ、以下、台湾・韓国・日本をはじめとしたアジア各国・地域からの観光客がそれに続く。世界最大のカジノ設備が集客に貢献している他に、世界遺産に登録されたマカオ歴史地区や、東西を融合した独特の食文化、カジノに隣接するブランド品の直営店など、ギャンブル以外の観光資源にも恵まれている。 返還直前の1998年ごろには経済の暗黒面である黒社会(マフィア、ギャング)の抗争が懸念されていたが、返還後は治安はよくなった。 2002年には、カジノ経営権の国際入札を実施し、その結果これまで何鴻燊経営の「マカオ旅遊娯楽有限公司(中国語版、英語版)(Sociedade de Turismo e Diversões de Macau,S.A. STDM / 澳門旅遊娯楽股份有限公司)」が独占してきたギャンブルを含むカジノ産業を、香港系の「ギャラクシー・マカオ(中国語版、英語版)(銀河娯楽場)」社とアメリカの「ウィン・リゾーツ(永利渡暇村)」社にも開放した。 このことが功を奏し外国からの投資が急増した。2009年5月現在、「ホテル・リスボア(Lisboa、葡京娯楽場)」、「グランド・リスボア(Grand Lisboa、新葡京)」、「サンズ・マカオ(Sands、金沙娯楽場)」、「ウィン・マカオ(Wynn、永利澳門)」や、新たに埋め立て開発されたコタイ・ストリップの「ザ・ベネチアン・マカオ(Venetian Macao-Resort-Hotel、澳門威尼斯人度假村酒店)」など20を超える大規模なカジノが運営されている。 これに伴い、観光客も2000年の800万人から2018年の3580万人と4倍以上の増加を示したように、観光産業の隆盛で経済は活況を呈しており、中華人民共和国本土の一部直轄市や省がマカオ入境を解禁した。2006年のカジノ売り上げが69億5000万アメリカドル(約8400億円)に達し、これまで世界最大であったアメリカのラスベガスの推計65億ドルを超え、世界最大のカジノ都市となり、その後も成長を続け、2013年の売上は3607.49億マカオパタカ(約4兆7253億円)に達した。カジノ市場の対外開放からわずか4年でカジノ都市として世界首位に躍り出た背景には、膨張する中華人民共和国の経済からあふれ出る「チャイナ・マネー」と、新たな市場であるマカオの国際カジノ産業に流れ込む外資があると分析されている。 なおマカオで合法とされているギャンブルは数多いが、人気があるのは駆け引きの要素の無い大小やバカラである。ほぼ全てのカジノにスロットマシーンが備えられている。 また、カジノに偏らない統合型リゾート(IR)も整備してAIやICTを活用したスマートシティ化も進められている。 この他、古くからドッグレースが盛んであったが、人気を失い2018年7月に廃止された。競馬も行われているが、他のギャンブルの陰に隠れてあまり人気が無い。
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