規格のバージョンと互換性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 00:38 UTC 版)
「Accelerated Graphics Port」の記事における「規格のバージョンと互換性」の解説
AGPはこれまでに3つの規格がリリースされ、諸元は以下の表の通りである。 AGP規格の各リリースAGP 1.0AGP 2.0AGP 3.0策定年月1996年8月 1998年5月 2002年9月 信号電圧3.3 V 1.5 V 0.8 V 速度1x, 2x 1x, 2x, 4x 4x, 8x 切り欠き(突起)の位置3.3 V 1.5 V, Universal 1.5 V, Universal より高速な動作モードを備えたリリースであるほど、スルー・レートを高く維持するように信号電圧が低く設定されている。データ転送速度は1x・2x・4x・8xの4種類があり、バースト転送時でそれぞれ 半二重266 MB/s・533 MB/s・1.07 GB/s・2.13 GB/sの速度となっている。 カードエッジ端子部分はPCIのような櫛状に端子を並べるのではなく、かつてのEISAバスと同様、端子を上下2列に千鳥配置としている。 また複数の動作電圧が設定されているので、対応電圧の異なるカード・スロットを区別するため、図に示すように、3.3 Vと1.5 Vの電圧にそれぞれ対応した位置に、カードには切り欠きが、スロットには突起が存在する。これにより電圧が非対応のカードの挿入を物理的に防いでいる。AGP 3.0の駆動電圧である0.8 Vに対応した切り欠き(突起)は存在しないが、0.8 Vで動作するカードは、0.8 V非対応のスロットに挿入されたときも適切に対処することが規格上定められており、AGP 3.0専用カードであっても1.5 Vの入力電圧に耐え(切り欠きにより3.3 V専用スロットへの挿入は物理的に回避できる)、非対応スロットであることを電気的に認識した後に動作を停止(あるいは1.5 V動作に自動切り替え)し、故障を回避する必要がある。なお、3.0対応スロットの場合、2.0のカードが装着された場合には自動的に2.0モードに切り替わる実装が多い。 過去には、切り欠きが不適切に設定されたカードにより、回路が焼損する事故が起きたこともある。 AGP対応カードが必ずしも全ての動作速度に対応しているわけではなく、動作モードは2xまでしかサポートしないというカードも存在する。 カードやスロットにより、対応する規格の範囲が異なり混乱を招くことがある。また、カードやスロットの物理的形状だけでは対応する動作モードを判断することが出来ないため、混乱に拍車をかけている。 拡張スロットの色は茶色が多く、CPUからは最も近い位置にあることが多い。 AGP Pro 画像処理に特化したワークステーション等で用いられる、より多くの電力を必要とするビデオカード向けに、ピン数を増やした AGP Pro 規格がある。
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