西鉄との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 17:22 UTC 版)
福岡市と大牟田市の間では鹿児島本線に並行して西日本鉄道(西鉄)の天神大牟田線が敷かれている。西鉄を利用した場合、福岡市の中心部である天神へ直接行くことができる。また、西鉄特急は特別料金が不要で、普通乗車券もしくは定期乗車券のみで乗車することができる。これに対し、長崎本線・久大本線への直通列車を除いた博多以南のJR線は、概して天神大牟田線より運行本数が少なく、運賃も福岡 - 久留米間や福岡 - 大牟田間などでは天神大牟田線に比べて割高で、所要時間も西鉄特急と比べて長いなど、もともと利便性の面でやや不利な状況であった。さらに、2018年3月17日のダイヤ改正で福間駅 - 二日市駅間以外の快速運転列車が大幅に削減され、特に羽犬塚以南では日中の博多方面との直通列車がなくなったため、利便性の低下が顕著となった。また、JRと西鉄で別々の場所に中心となる駅が設けられている都市の場合、西鉄の駅の方が概ね栄えた場所に位置し、乗降客数も西鉄駅の方がJR駅を上回ることが多い。 本路線と西鉄天神大牟田線は、大牟田駅以外では同居駅は存在しない。このため、両路線の相互の乗り換えの利便性はあまり良くないが、駅が近接している例も多く、徒歩で乗り換えが可能な場合もある。1km以内で往来できる駅を以下に挙げる。左側がJR駅、右側が西鉄駅である。 1km以内で乗り換えが可能な駅 笹原駅 - 井尻駅(約600m) 南福岡駅 - 雑餉隈駅(約800m) 春日駅 - 春日原駅(約500m) 大野城駅 - 白木原駅(約750m) 水城駅 - 下大利駅(約600m) 二日市駅 - 紫駅(約500m) 天拝山駅 - 朝倉街道駅(約600m) 吉野駅 - 倉永駅(約700m) 銀水駅 - 西鉄銀水駅(約400m) 主に福岡市南部(南区、博多区)や筑紫地域、及び大牟田市内において、鹿児島本線と天神大牟田線が近接している。 博多駅 - 薬院駅間、JR二日市駅 - 西鉄二日市駅・紫駅間、JR久留米駅 - 西鉄久留米駅間はそれぞれ1.5km前後の距離があるが、路線バスが頻発しており、路線バスを利用すれば10分前後で移動できる。 また、笹原駅 - 南福岡駅間や久留米駅 - 荒木駅間では両線が交差しており、両線の接続駅を設ける提案が出されたこともあるが、費用や用地、近隣駅との距離関係などの問題があるため具体化には至っていない。 一方、2007年(平成19年)までは、福岡市と福津市との間でも、鹿児島本線と西鉄宮地岳線(現在の貝塚線)が並行していた。しかし、西鉄宮地岳線の線路規格が低規格であることや鹿児島本線で新駅の設置や列車増発などが行われたことから、西鉄宮地岳線の利用者数が減少し、西鉄新宮駅 - 津屋崎駅間が同年3月をもって廃線となった。以後は、福岡市から新宮町までの区間で鹿児島本線と西鉄貝塚線が並行して存在している。この区間では、JR千早駅と西鉄千早駅が同一駅舎内に存在、香椎駅と西鉄香椎駅は約200mの位置に存在する。 福岡市 - 宗像市・北九州市間では西鉄バス路線との競合も見られる。こちらのバスはJR駅に隣接の停留所からの利用は少なく、JRの駅から遠い住宅地から都心部への需要の集合を主とし、鹿児島本線を補完するニッチ産業的輸送形態と言え、中心的存在を担いうる鉄道(天神大牟田線系統)とは対照をなす形となっている。 北九州市においては軌道線(路面電車)の西鉄北九州線が門司区と八幡西区との間(門司港駅 - 折尾駅間)で鹿児島本線と並行していたが、2000年(平成12年)までに順次廃止され、現存しない。
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