西古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 04:48 UTC 版)
西古墳は、古墳群のうち西に位置する古墳。形状は円墳。1951年(昭和26年)・1995年(平成7年)に墳丘・主体部の発掘調査が実施されている。 墳形は円形で、直径約40メートル・高さ約5メートル、墳頂部の直径約16メートルを測る。墳丘は1段築成。墳丘表面では葺石のほか、円筒埴輪列(朝顔形埴輪含む)が認められる。主体部の埋葬施設としては次の2基が検出されている。 第1主体部(初葬)墳頂中央部。割竹形木棺粘土槨。主軸は南北方向。 木棺を埋納する墓壙は隅丸長方形で長さ13メートル・幅5.6メートル・深さ約1.5メートルを測り、木棺は長さ8.35メートル・南小口幅1.20メートル・北小口幅0.95メートルを測る。埋葬は南頭位と推定される。棺床には赤色顔料(ベンガラ)を散布する。 出土遺物のうち、棺内遺物としては鉄剣5・鉇2・鉄鑿1・鉄斧4・鉄鎌7・滑石製臼玉・琴柱形石製品8・碧玉製管玉・竪櫛多数が、棺外遺物としては鉄鏃群・鉄剣6・直刀9・鉄鉾1がある。 第2主体部(追葬)第1主体部の東側。組合式木棺直葬。主軸は南北方向。 木棺を埋納する墓壙は隅丸長方形で長さ5.5メートル・幅2メートルを測り、木棺は長さ4.17メートル・南小口幅0.67メートル・北小口幅0.61メートルを測る。埋葬は南頭位。棺内面には全面に赤色顔料(ベンガラ)が塗られる。 出土遺物のうち、棺内遺物としては臼玉108・竪櫛89・鉄鏃8・漆塗り靫1が、棺外遺物としては漆塗り盾1・鉄槍1・円礫1・鉄刀子2・鉇2・鉄鑿1がある。 副葬品のうちでは、竪櫛が多量に認められる点が特筆される。 築造時期は墳丘・第1主体部が古墳時代中期の5世紀前半頃、第2主体部が5世紀中葉頃と推定され、東古墳に先行する首長墓に位置づけられる。 墳頂中央に第1主体部、右手前に第2主体部。
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