複々線構想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:40 UTC 版)
バブル景気期、当線は利用客のさらなる伸びが見込まれ、飽和状態にあった輸送力状況を打開する切り札として、上石神井駅 - 西武新宿駅間(12.8 km)を複々線化する構想が何度も持ち上がっていた。在来線直下の地下40メートル-60メートルを掘削して地下線を増線し、工期と費用の点から地下線は高田馬場駅と西武新宿駅の2駅のみの急行線とする計画が事業化されることになった。地下線の西武新宿駅ホームは新宿駅寄りに設け、他線との乗り換えを改善する予定であった。 この計画は、1987年12月に特定都市鉄道整備事業計画の認定を受け、翌1988年9月に運輸大臣の認可が下り、特定都市鉄道整備積立金制度導入による運賃加算も行われた。シールド工法によるトンネルの調査設計は日本鉄道建設公団に依託され、工事は部分的に着手された。ところが技術上の問題で工事費用が予定より膨らみ、景気減退や少子高齢化を背景とした見込み利用者数の減少、輸送人数に応じた避難経路を確保するための建設費高騰もあり、1995年1月になって計画は無期延期となった。その際、積立金として加算された分は、特別減算を実施し運賃の一時的な値下げが実施された。代わりに、新宿線の線形改良・ホーム改良工事等が実施されている。2008年3月31日に複々線化工事の竣功期限を迎え、延長されず失効している。 2019年に東京都は計画を廃止するための都市計画素案を作成した。その後、2021年11月26日付の東京都告示第1410号 (PDF) により線増部の都市計画が削除され、複々線化計画は正式に消滅した。
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