被告人による自作自演の「冤罪」キャンペーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 02:11 UTC 版)
「ルーシー・ブラックマンさん事件」の記事における「被告人による自作自演の「冤罪」キャンペーン」の解説
2006年、「真実究明班」名義で「ルーシー事件の真実」と称するウェブサイトが開設された。翌2007年5月、「ルーシー事件真実究明班」名義で『ドキュメンタリー ルーシー事件の真実―近年この事件ほど事実と報道が違う事件はない』(以下『ドキュメンタリー ルーシー事件の真実』と略記)と題する本が飛鳥新社から刊行された。いずれも検察の立証の疑わしさを主張し、被告人(当時)の冤罪の可能性を訴える内容であった。 『ドキュメンタリー ルーシー事件の真実』p.31には「真実究明班は、ジャーナリスト、法科大学職員、元検事を含む法曹界会員などで構成されている」と記されていたが、この本の実態は被告人から委託された弁護士による自費出版物であり、飛鳥新社としては、被告人の命令と監督で作られた本と認識していた。 2010年2月、飛鳥新社が被告人とその弁護士に対して民事訴訟を起こし、1314万6481円の未払金の支払を求めた。訴状には、『ドキュメンタリー ルーシー事件の真実』が被告人の「刑事事件を有利にするためのキャンペーン活動の一環として…書籍の出版、広告等の業務委託が行われ」たものであること、「被告らは、上記キャンペーン活動を中立性ある活動であるかのように装うために、同キャンペーンの担い手が第三者からなる特定の団体であるかのように装」ったこと、「『真実究明班』はもとより法人格を有する法人ではなく、権利能力なき社団に該当する程度の社団性もなく、その実体は、被告ら個人に過ぎない」ことが書かれていた。 ウェブサイト「ルーシー事件の真実」には被害者の日記の一部や遺族の署名した書類、公判速記録などが裁判所の許可なく掲載されていた。このため警視庁は立件を検討したが、ドメイン名がオーストラリア領クリスマス島のものであったのをウェブサイトのサーバーが日本国外と誤解したため捜査は行われなかった。(実際にはこのサイトをホストしているのは京都の株式会社メディアウォーズ(代表取締役社長三上出)である。)
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