蕨手刀子
蕨手刀子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 03:51 UTC 版)
柄頭の形状に着目した場合、柄の端部(茎尻)が蕨型に装飾があり刃長が1尺(30.3cm)に満たない刀子は蕨手刀子と呼称される。5世紀から6世紀にかけての日本で多数出土しており、これも共鉄柄であり、10cm前後から20cmを超えるものが発掘されている。この蕨手刀子は、朝鮮半島では大邱市達城(タルソン)55号墳など数古墳で確認されるのみである。松井和幸によれば、柄部が刃先と反対に曲げられている曲刀子が蕨手刀子の源流とされ、釜山市老圃洞(ノポドン)遺跡33号墳(3世紀後半)や福岡県池の上墳墓群などから出土している。 茨城県の十五郎穴からは、蕨手刀と共に鞘尻金具や帯取り金具などの飾り金具がついた刀子が出土している。正倉院にも蕨手刀(「黒作横刀」)が保存されている。 山形県の三崎山遺跡では大陸との交易によって入手したとみられる約3000年前の青銅刀子が出土している。大きさは15cm前後から20cm超であり柄には丸い穴が開いている。また縄文時代後・晩期には青銅製刀子の模造品とみられる石刀の出土が見られる。 交易品の青銅刀子や国産の石刀との関係、主に西日本で見られる蕨手刀子との関係、どのような経路・経緯をもって東北で武器である刀として大型化し普及したのかなど詳細は不明である。
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