刃長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 16:40 UTC 版)
刃渡りは室町時代前半までは約40cmから50cmであり、室町時代後半からは60cm(約2尺)以上の長寸のものが現れだした。それと同時に打刀と短めの打刀(脇差)の同時携帯が身分・階層問わず流行し、帯刀が身分不問で成人男子の象徴になっていった。室町時代が平均2尺3寸5分程度、太閤刀狩以降は2尺3寸3分以下(それ以前に作られたものは磨上げられた)であった。 江戸時代には持ち主によって許可される長さが変わり、帯刀許可者及び武芸者・剣術修行者は徳川家光の代までは2尺3寸以下・徳川家綱以降は2尺2寸8分以下となった。それ以外の階級が許可を得て帯刀する場合(逮捕吏、神職及び祭祀職・神人・祭祀時の扮装役、虚無僧、大関以上の力士、芸能・大道芸興行者、公家貴族衆、槍持ちなど武家奉公人、その他武官や警備職など特別身分帯刀許可など)2尺2寸3分迄とされた。天下泰平の世である江戸期の作刀には美観を旨とした刀が流行したため焼き戻し処理がさほどされず硬度はあるが粘りがないために水試しや堅物試しといった荒試しで折れた事例もある。 幕末期になると実用的で丈夫な刀が求められ、尊王攘夷派の志士の間で勤皇刀や勤王拵と呼ばれる3尺前後で反りが少ない長寸の打刀が流行し、佐幕派も対抗として長大な刀を使うようになった。美術刀剣商の間では作刀時期から新々刀、太刀のような大振りでより粘りのある作りであることから復古刀と分類される。 重さは700 - 1,400g前後である。
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