蒸気機関車の運行構想
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「名古屋臨海高速鉄道」の記事における「蒸気機関車の運行構想」の解説
2009年より名古屋市長に就任した河村たかしは、あおなみ線で蒸気機関車 (SL) を走らせ当線の活性化を図る構想を発表した。当時、早ければ2012年度から名古屋 - 中島間で試験運行を行う予定とも表明した。その際、必要となる蒸気機関車は西日本旅客鉄道(JR西日本)からC56 160あるいはC57 1のいずれかを借り受ける予定としていた。なお、運行区間が中島までにとどまる理由は、中島以南の新線区間の高架橋が旅客線専用であることを前提として建設されているため軸重の重い蒸気機関車の入線が困難であるため、と説明されている。 2012年11月19日に、2013年2月16・17日の2日間にわたって実験走行をすることが発表され、一般公募者の中から試乗者を募集することも発表された。また市長から検証の上、通年運行を目指す考えが述べられた。2013年2月11日、JR西日本より借り受けたC56形160号機、12系客車3両、DE10形が日本貨物鉄道(JR貨物)による甲種輸送として名古屋貨物ターミナル駅に到着。同2月13日・14日の2日間に試運転を行った後、2月16日・17日に特別ヘッドマークをC56 160に取り付け、実際に乗客を乗せての実験走行が行われた。16日の実施に際しては、名古屋市が設定した観覧場所に3600人の観客が詰めかけている。走行実験を行うにあたっては、鉄道事業法上の手続きとして事業基本計画の動力に従来からの「電気」「内燃」に「蒸気」を追加する必要が生じたことから、2013年1月18日付で名古屋 - 荒子(名古屋貨物ターミナル)間の動力追加申請の承認を国土交通省中部運輸局から得ている。 表だったトラブルは起きず運行自体は成功に終わったものの、定期運行化の際に問題となる煤煙、汽笛等による騒音など、多くの課題が山積みとなった。東海旅客鉄道(JR東海)はこの問題に加え「(JR東海はSL運転技術を継承しておらず)協力に必要な物も人材も無い」と発言すると共に、市長が同じく提言したSL博物館に関しても「我が社はリニア・鉄道館で精一杯なので、そちらに専念させて頂きたい」として、市長のSL構想に対して協力する意向が無いことを定例会見で表明している。
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