蒔坂家(田名部)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 18:00 UTC 版)
小野寺 一路(おのでら いちろ) 参勤道中の全てを取り仕切る供頭を代々務める小野寺家の嫡男。19歳。江戸で生まれ育ち、故郷というべき田名部にも一度も帰ったことがなく、父・弥九郎から仕事について何の引き継ぎもしていなかった。北辰一刀流の免許皆伝、東条学塾の塾頭まで務めた穎才。 蒔坂 左京大夫(まいさか さきょうのだいぶ) 蒔坂家三十九代当主、十四代左京大夫。西美濃田名部郡を領分とする七千五百石の旗本。交代寄合 表御礼衆。江戸在勤の折は、三日と開けず芝居に通い、過去には役者の出待ちをしているところを町方に見つかり謹慎処分を下されたこともあるなど、「うつけ者」と見なされている。 国分 七左衛門(こくぶ しちざえもん) 勘定役。薫の父。小野寺弥九郎とは昵懇の間柄だった。 国分 薫(こくぶ かおる) 七左衛門の娘。一路とは親同士が決めた許嫁で、一路は顔も知らなかったが、美しい顔立ちで、皆から冷たくされる中、道中羽織を仕立てて忍んで旅籠まで届けてくれた。 栗山 真吾(くりやま しんご) 供頭添役。前年の秋に父が卒中で急死し、一路と同じく仕事の引き継ぎを全くやっていない状態で参勤に挑む。 佐久間 勘十郎(さくま かんじゅうろう) 蔵役人、玄蕃允盛政が裔。例年は三十徒士だった故に参勤道中の供の経験は無かったが、五十徒士となった為に新たに加えられた。最初こそは渋っていたが一路と真吾にお立てられ、最終的には派手な衣装を身に着けての先手を務める。 おつむの足らない武辺者とされているが、面倒な世事に関わらないために、あえて馬鹿なフリをしている向きもある。 矢島 兵助(やじま ひょうすけ) / 中村 仙蔵(なかむら せんぞう) 十俵三人扶持の組付足軽。同い年の従兄弟同士。兵助は「猿(ましら)の兵助」の異名を取るほど身軽。七つ下の真吾とは又従兄弟で、子供の頃からひ弱でいじめられっ子だった真吾を気にかけてきた。 蒔坂 将監(まいさか しょうげん) 左京大夫の後見役、叔父(正しくは先代の従兄弟の子)。男子に恵まれなかった先代左京大夫の養子に入った矢先に、側室が懐妊し当代が生まれ、廃嫡された。当代からは実の兄のように慕われている。 由比 帯刀(ゆい たてわき) 蒔坂家家老。 伊東 喜惣次(いとう きそうじ) 側用人。長年、将監の元で禄を食んできたため、左京大夫より将監に忠義が深い。 ぬい 左京大夫の側室。将監の娘。左京大夫からは嫌われている。 辻井 良軒(つじい りょうけん) 医師。大坂の適塾で蘭方医術を修め、先年の夏に召し抱えられた。年は27、8。 将監と帯刀にお家のためと騙され、一路の父と真吾の父に毒を持ったが、うつけ者呼ばわりされている左京大夫の真の聡明さに気付き、医師としての本分を全うしようと思い直す。
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