芸術的才能との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:02 UTC 版)
「双極性障害を患った人物の一覧」および「en:List of people with bipolar disorder」も参照 多くの芸術家が双極性障害であったとされている。病跡学の観点から関心が持たれ、双極性障害と創造性についてたびたび議論されている。2005年に行われた調査では、双極性障害の親を持つ子供は、創造性のテストで他の群より高得点であったとの報告もある。2006年のスタンフォード大学の調査では、双極性障害の患者は創造性が高かったとの結果が出ている。しかしそうでない結果もあり、双極性障害と創造性の関係性を示す根拠にはならなかった。また、全米作家協会のメンバーに行った調査では、作家に有意に多かったとの報告もあるが、サンプル数が少なく根拠を示すには確実ではないとされる。イギリスでは、著名人が双極性障害を告白したことや、テレビの特集などを通じて双極性障害の認知度が高まっていることにより、安易に自己診断する人が増えているという。同国のダイアナ・チャン博士とレスター・シアリング博士は、BBCの番組に対し、「精神疾患の比較的穏やかな側面が描かれており、暴力などのリスクとの強い結びつきについてはほとんど言及されていない」と注意を促している。その他有名人の双極性障害では、画家ではミケランジェロ、ゴッホ、作家ではゲーテ、スウィフト、マルキ・ド・サド、バルザック、ディケンズ、トルストイ、メルヴィル、ジャン・ジュネ、ヴァージニア・ウルフ、ヘミングウェイ、ケルアック、哲学者ではキェルケゴール、ニーチェ、政治家ではニキータ・フルシチョフやウィンストン・チャーチル、音楽家ではベートーヴェン、シューマン、ブライアン・ウィルソン、ニルヴァーナのカート・コバーン、ガンズアンドローゼズのアクセル・ローズ、俳優ではヴィヴィアン・リー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、リンダ・ハミルトン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、デミ・ロヴァートなどが知られている。日本人では作家の太宰治、宮沢賢治、夏目漱石(但し一般的には神経衰弱とされていて、他に統合失調症など諸説がある)、坂口安吾、遠藤周作、北杜夫、開高健、中島らも、絲山秋子、諏訪哲史が知られており、他に俳優の田宮二郎、タレントの泰葉、書誌学者の谷沢永一、現代美術家の大山結子、作家で建築家の坂口恭平もいる。なお近年になって双極性障害の当事者アーチスト達による創作活動も活発化している。ゲーテは、クレッチマーやメビウス(英語版)によって双極性障害だと考えられている。また、ゴッホについては専門家の間でも見解が分かれており、フランスのミンコフスカはてんかん説、ドイツのカール・ヤスパースは統合失調症説を説いた。
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