創造性について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 22:39 UTC 版)
「ジャック・アダマール」の記事における「創造性について」の解説
著書『数学における発明の心理』で、アダマールは数学的思考プロセスを記述するために(心理学研究の方法としての)内観を用いた。言語と認識を識別する他の著者と異なり、彼は自身の数学的思考を言葉を用いずに、しばしば問題に対する解法全体を表現するイメージを伴って表現している。彼は1900年当時の指導的な物理学者100人に対して、彼らがどのように自分の業績を成し得たかを調査した。多くの回答はアダマールの方法と全く同じであり、また数学的概念を色として捉えているという回答もあった。 アダマールはカール・フリードリッヒ・ガウスやヘルマン・フォン・ヘルムホルツ、アンリ・ポアンカレといった数学者/理論物理学者の経験を、「突如として自身の内から沸き上がってくるもの」として完全な解法を認識できた結果、と表現している。同様の主張はデニス・ブライアン、G. H. ハーディ、ファン・デル・ヴェルデン、ハロルド・リュエグ、アウグスト・ケクレ、ニコラ・テスラなど多くの著述でも見られる。 アダマールは5段階からなるグレアム・ウォーラスの創造過程モデルのうち、4つのステップを持つような思考過程を記述した。このうち最初の3段階は、ヘルムホルツによっても提唱されている。 準備段階 孵化段階 啓示段階 検証段階 著名な精神科医カール・ユングの同僚であったマリー=ルイーズ・フォン・フランツは、このような無意識下での科学的発見において、「常に繰り返される重要な要素は、(中略)完璧な解法が直感的に認識されるという同時性であり、それは後に(直感的にではなく)論証的に検証される」と述べている。彼女はユングの「元型は(中略)それらがイメージやアイデアを組織化する能力を通じてのみそれら自身を明示し、それは常に、後になって初めてわかるような無意識の過程である」という言葉に基づき、「元型もしくはイメージ」として解法が示されると考えた。
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