色覚の特徴とは? わかりやすく解説

色覚の特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:37 UTC 版)

哺乳類」の記事における「色覚の特徴」の解説

脊椎動物色覚は、網膜中にどのタイプ錐体細胞を持つかによって決まる。魚類両生類爬虫類鳥類には4タイプ錐体細胞4色型色覚)を持つものが多い。よってこれらの生物は、長波長域から短波長域である近紫外線までを認識できるものと考えられている。一方ほとんどの哺乳類錐体細胞を2タイプ2色型色覚)しか持たない哺乳類祖先である爬虫類4タイプ全ての錐体細胞持っていたが、2億2500万年前には、最初哺乳類と言われるアデロバシレウス生息し始め初期哺乳類は主に夜行性であったため、色覚生存必須ではなかった。結果4タイプのうち2タイプ錐体細胞失い、青を中心に感知するS錐体と赤を中心に感知するL錐体の2錐体のみを保有する至った。これは赤と緑を十分に区別できないいわゆる赤緑色盲」の状態である。この色覚哺乳類の子孫に遺伝的に受け継がれることとなった霊長類直鼻猿亜目は、メガネザル下目真猿下目分岐するこの分岐の際に真猿下目X染色体位置する錐体視物質関連した色覚多型顕著になり、ヘテロ接合体の2本のX染色体を持つメス限定した3色型色覚の再獲得つながり、さらに狭鼻下目オス含めた全体3色型色覚の再獲得へとつながることとなる。真猿下目狭鼻下目旧世界ザル)と広鼻下目新世界ザル)とが分岐したのは3000-4000万年と言われている[信頼性検証]。ヒトを含む旧世界霊長類狭鼻下目祖先は、約3000万年前性染色体であるX染色体位置している赤を中心に感知するL錐体から変異した緑を中心に感知する新たなタイプ錐体M錐体視物質遺伝子出現しヘテロ接合体の2本のX染色体を持つメスのみが3色型色覚有するようになり、さらにヘテロ接合体メスにおいて相同組換えによる遺伝子重複変異起こして同一X染色体上に2タイプ錐体視物質遺伝子保持されることとなりX染色体を1本しか持たないオス3色型色覚有するようになった。これによって、第3錐体細胞「再生」された。3色型色覚ビタミンC多く含む色鮮やかな果実等の発見生存維持有利だった考えられる。 なお、時代下ってヒト色覚鑑みるに、ヒト属す狭鼻下目マカクザル色盲ヒトよりも非常に少ないことを考慮すると、ヒト祖先狩猟生活をするようになり3色型色覚優位性低くなり、2色型色覚淘汰圧下がった考えられる広鼻下目ヨザルは1色型色覚でありホエザル狭鼻下目同様に3色型色覚を再獲得している[信頼性検証]が、これらを除き残り新世界ザル広鼻下目)はヘテロ接合体X染色体を2本持つメスのみが3色型色覚有しオス全て色盲である。これは狭鼻下目のようなX染色体上で相同組換えによる遺伝子重複変異を起こさなかったためである。ヒト上記のような霊長目狭鼻下目祖先X染色体遺伝子変異受け継いでいるため、M錐体欠損しX染色体関連する赤緑色盲伴性劣性遺伝をする。男性ではX染色体赤緑色盲の遺伝子を受け継いでいると色盲発現し女性では2本のX染色体とも赤緑色盲の遺伝子を受け継いでいる場合色盲発現する。なお、日本人では男性の4.50%、女性の0.165%が先天赤緑色覚異常で、白人男性では約8%が先天赤緑色覚異常であるとされるその他の哺乳類2色型色覚例外として、最近の研究では、有袋類には3色型色覚広がっている可能性がある。有袋類のうちフクロネコポッサム3色覚認められている。鰭脚類クジラ類は1色型色覚である。

※この「色覚の特徴」の解説は、「哺乳類」の解説の一部です。
「色覚の特徴」を含む「哺乳類」の記事については、「哺乳類」の概要を参照ください。

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