自由科目「つくばマラソン」
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「つくばマラソン」の記事における「自由科目「つくばマラソン」」の解説
主催者の1団体である筑波大学は、自由科目(いわゆる一般教養に相当する科目)として「つくばマラソン」という1単位の科目を開講している。1992年(平成4年)に筑波大学体育センターが「つくばマラソン参加を目標とした科目」として新設し、当初は「フルマラソンを走って1単位」という過酷な授業に参加する者はいるのだろうか、と教員は不安を抱いていたが、2007年(平成19年)度までに1,000名を超す受講者を集めている。開講当初は学生だけでなく教職員の受講も認めていたが、1994年(平成6年)からは学生(大学院生を含む)のみ履修可能とした。 授業は、マラソンの基礎知識などの座学による「講義」と、ランニングトレーニングを行う「実技」から成っているが、やや実技を重視したカリキュラムになっている。実技では、初めに12分間走を実施して各人の能力別にA - Dの班に分け、班別に課題を設定してつくばマラソンに向けたトレーニングを行う。参加者は特別な運動経験を持った人物というよりは、いわゆる「普通の大学生」がほとんどであり、彼らは「マラソンを走ってみたい」・「練習の目標・動機付けとしたい」という理由でこの科目を選択している。学生の特徴として、3・4年次生や大学院生といった上級生の比率が高いということ、男子の比率が高いことが挙げられる。 この科目の最終目標は「つくばマラソンへの出場」であるが、つくばマラソンへの参加が単位取得の必須条件とはなっていない。ただし、開講初年度の1992年の受講者53名のうち、フルマラソンに42名(1人は途中棄権)、10kmに8名、計50名が出場しているほか、他の年度も同様の高い出場率を保っている。また、マラソン出場者にアンケートやレポートで完走して得たものを尋ねたところ、「達成感や自信」よりも「仲間・他者の存在」である、という結果が得られた。また、この科目の担当教員である鍋倉賢治は、学生の自己効力感はレース直前から高まっており、たとえ完走できなかったとしても低下していない、と記している。 2005年(平成17年)からは、地域住民向けのマラソン講座(クラブ)も開講している。この講座の運営に当たっては、自由科目「つくばマラソン」を受講したOBやOGがスタッフとして参加している。参加者は、つくば市・茨城県を始め近隣の県からさまざまな背景を持った老若男女が集まってきている。
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