自動車用ヘルメット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 14:03 UTC 版)
ウィキメディア・コモンズには、自動車競技用ヘルメットに関連するメディアがあります。 自動車のモータースポーツにおいても、事故や火災から頭部を守るためにヘルメットの着用が義務づけられており、公式競技やそれに準ずる競技、その他主催者が指定するイベントでサーキットなどを走行するには、国際的には国際自動車連盟(FIA)、日本では日本自動車連盟 (JAF) が定める競技規格ヘルメットの装着が必要になる。これ以外の目的でサーキットなどを走行する場合でも、低速の体験走行やパレードのような危険が予想されない場合を除き、オートバイ用を含めた何らかの規格に適合するヘルメットの装着が必要である。 F1など乗員の頭部が外部に出ている場合はオートバイ用のフルフェイスヘルメットに似た形状である(二輪用に比べ上下方向の視界の広さが必要ないため、窓の部分が細長くなっている)。通常の車両の場合は顔が直接外気に曝されることがないため、ジェット形が使用される場合もあるが、この場合、火災から顔面を守るために、耐火繊維製のフェイスマスクを併用することが多い。ラリーなど、他者との会話が必要な競技では、インカム(ヘッドセット)が組み込まれているヘルメットが使われる。 オートバイ用のヘルメットと異なり、自動車競技用ヘルメットは耐火性能も重視されるため、材質が工夫されるほか、開口部は小さく、火炎の侵入を防止するための鼻当てが備えられる(逆にオートバイ用では、自動車競技用ほど耐火性能は重視されない)。また、オートバイ用は歩行者などへの衝突を考慮して外面に金属部品を用いないが、自動車競技用ではこの問題は無いため金属部品が使用される。そもそも規格自体が異なるため、自動車用ヘルメットをオートバイに用いた場合は法的な保護を受けられない可能性もある。2010年代以降は、頚椎部の保護を目的とするHANSとの接続のための端子(HANSアンカー)を備えることも求められるようになった。 警察官の所属部署(交通機動隊・高速道路交通警察隊、警察署の事故処理車など、自動車警ら隊では被らない)によってはパトカー乗車中にもヘルメットをかぶっている。
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