脱走
『大いなる幻影』(ルノワール) 第1次大戦下。スイス国境近く。ドイツの古城跡の捕虜収容所に、ボワルデュ大尉をはじめとするフランス将校たちが収容される。所長ラウフェンシュタインは貴族であり、同じ貴族出身のボワルデュを丁重に扱う。ある夜、2人の将校が脱走をはかる。2人を逃がすために、ボワルデュはわざと城壁に登って監視兵の注意を引きつける。ラウフェンシュタインはボワルデュの脚をねらって銃撃するが、腹部に命中してしまい、ボワルデュは死ぬ。脱走した2人は、国境を越えてスイスに入る。
『第十七捕虜収容所』(ワイルダー) ドイツの第17捕虜収容所。アメリカ兵たちの脱走計画がドイツ側に筒抜けなので、捕虜の中にスパイがいる、と皆は考える。セフトン軍曹が疑われるが、実はプライスという男がスパイだった。捕虜の1人ダンバー中尉が、ドイツの軍用列車爆破犯として、ベルリンへ送られることに決まる。捕虜たちはダンバーを救うために、セフトンと一緒に脱走させる。夜、スパイのプライスを屋外へ放り出し、ドイツの監視兵が彼を銃撃している間に、セフトンとダンバーは鉄条網を破って脱出する。
『大脱走』(スタージェス) 連合軍の将校たち250人が、ドイツの捕虜収容所からの脱走を計画し、長いトンネルを掘る。しかし計算違いにより、トンネルの出口が森の中でなく、ドイツ兵歩哨が立つ場所の近くになってしまい、脱走は発覚する。それでも76人が逃げ出したが、検問などで次々に捕らえられ、ゲシュタポの手で50人が射殺された。残りはまた収容所に戻され、無事に国外へ逃れ出たのは3人だけだった。
『網走番外地』(石井輝男) 網走刑務所の受刑者30人が2人1組で手錠をかけられ、トラックの荷台に乗って、森林伐採作業に向かう。途中、彼らは荷台から飛び降り、脱走する。仮釈放間近の橘真一も、手錠でつながれている権田に引っ張られて、いやおうなく逃げる。2人は手錠の鎖を切るために、橘が鉄道線路の真ん中に、権田が線路の外側に伏して、鎖をレール上に置く。汽車が通り過ぎ、鎖は切断される。権田は怪我をして動けなくなり、橘は、追って来た保護司の妻木に「権田を病院へ運んでくれ」と頼む。
『パピヨン』(シャフナー) 胸に蝶の刺青があるのでパピヨンと呼ばれる男が、南米ギアナの監獄に送られる。そこでは、脱獄に失敗すると、1度目は独房へ2年、2度目は5年入れられる。3度目に失敗すると、ギロチンで処刑される決まりである。パピヨンは脱獄に2度失敗し、7年間を独房で過ごす。彼はムカデやゴキブリを食べて生き延びるが、独房から出た時にはすっかり白髪になっていた。その後パピヨンは、荒波が打ち寄せる断崖絶壁の悪魔島へ送られる。しかし彼は、なおもあきらめず、ココナツをつめた袋を船代わりとし、海に飛び込むのだった。
『モンテ・クリスト伯』(デュマ)19~20 エドモン・ダンテスは、マルセイユ沖のシャトー・ディフ(悪魔島)の暗牢に幽閉された。彼は獄中でファリア神父と知り合い、協力して脱獄をはかるが、老齢の神父は病気になって死んだ。ダンテスは、神父の死体を入れた袋の中に、死体と入れ替わって入る。2人の獄吏が、袋に重(おも)りをつけて海へ投げ込む。ダンテスはナイフで袋を切り裂き、重りの綱を断ち切って、海上へ浮かび上がる。
『自由を我等に』(クレール) ルイとエミールは刑務所内の親友だった。ルイは脱獄に成功して娑婆に出る。エミールは失敗して刑務所に戻される。ルイは商売を始め、大会社の社長になる。エミールは刑期を終え、偶然ルイの会社の工場に就職する。2人は再会を喜び合う。しかし警察が、ルイを脱獄者と知って逮捕しに来たので、ルイとエミールは会社を捨てて逃げる。2人は自由を求めて、放浪の旅に出る。
『籠太鼓(ろうだいこ)』(能) 殺人を犯した男を捕らえるが、男は脱獄する。領主が男の妻を牢に入れ、男の行方を問う。妻はそれには答えず、狂気となって太鼓を打ち、「この牢こそ夫の形見。なつかしや」と言って牢にこもる。領主が「牢から出してやろう」と言っても、妻は出ようとしない。領主が「夫婦ともに許す」と約束すると、妻は夫の居所を明かし、夫を連れ戻して仲むつまじく暮らした。
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