胃食道逆流症とは? わかりやすく解説

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胃食道逆流症

普通の状況では食道から胃に送られ食物がまたもう一度食道逆流することはあまりありません.正常な場合食道胃の間には逆流防止するうまれつきのしくみができているからです.胃の内容物食道逆流することを胃食道逆流現象呼んでいます.普通の人でも軽度逆流ありますが,特に生まれたばかりの赤ちゃんでは逆流防止する機構未熟なために,この現象がよくおこっています.従って,この現象場合は,その逆流程度一日のなかでどのくらい時間逆流があるか)が,治療の適応決めにあたって重要です.

食道食道裂孔という横隔膜開いている食道の通り道からおなかに入りますが,この孔から胃の一部横隔膜の上はみ出してしまった場合食道裂孔ヘルニア ),逆流を防ぐしくみが機能しないため,常時逆流発生する態となります

逆流回数多かったり,逆流したものがいつまで食道の中に残っていたりすると様々な病気の原因となります病気引き起こす原因逆流し胃液胃酸)です.胃液は非常に強い塩酸で,食道粘膜胃の粘膜違い酸に対す抵抗力が弱いため,胃液さらされる時間長くなる炎症起こし逆流性食道炎),ひどくなる炎症部分潰瘍できます潰瘍ができたり治ったりを繰り返していると,瘢痕という固い組織変わってしまい,食道の通り悪くなってしまいます狭窄 ).食道炎潰瘍から出血する貧血になり,蛋白質失われ栄養不足の状態になります.これらの原因があわさって,成長が遅れることになります

逆流し胃の内容物気管吸い込んでしまうと,気管支炎肺炎起こします逆流1日何十回となく起こっているので,たびたび気管支炎肺炎かかります大量に吸い込む窒息してしまうこともあります.もっと恐いのは食道の中に入ってきた塩酸刺激によって,心臓の拍動遅くなったり,気管支縮んでしまって呼吸苦しくなったりすることがあることです.これは窒息するほどの大量逆流でなく,食道の中にとどまる軽い逆流でも起こり,ひどい場合には心臓の拍動停止することもあります

胃から食道への逆流防止する働きが十分かどうか食道内圧検査食道透視検査判断しますまた,逆流がどの程度起こっているかを調べるためには 24時間食道pH検査行います食道炎食道潰瘍食道狭窄程度調べるためには 食道内視鏡検査 が必要です.このように様々な検査組み合わせ逆流病的なものか,普通の程度なのかを判断します

逆流がひどい時には噴門形成術という手術行います.これは逆流を防ぐしくみを人工的に作ってやる手術で,幾つかの方法あります赤ちゃん逆流を防ぐしくみが未発達なため,おとなよりも逆流し易いのですが,成長伴ってしだいにこのしくみが出来上がってゆきます.このため赤ちゃん場合はすぐに手術をするのではなく,しくみが完成するのを待ちます待っている間はできるだけ逆流少なくするために,粘度高くした特殊ミルク少量づつ何度にも分けて与えたり食後しばらくの間身体立てた状態に保ったりしますそのほか食道の粘膜保護したり,胃に溜まっている内容できるだけ早く十二指腸の方へ流すなどの目的何種類かの使用しますこのような方法続けるとかなりな数の赤ちゃん手術が必要でなくなります

胃食道逆流症は気付かれにくい病気で,見逃されていることも多いと思われます.普通よりもよく吐く,風邪をひき易い,喘息のような発作が度々ある,原因わからない発育障害があるといった場合は,胃食道逆流背後隠れている可能性あります逆流原因になっているかどうか24時間食道pH検査判断できるので,小児外科医ご相談ください





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