二分脊椎とは? わかりやすく解説

二分脊椎

二分脊椎は,背骨の形に生まれつき異常があり,本来背骨の中の脊柱管あるべき脊髄神経が骨の外にあるために,さまざまな神経障害がおこる病気です.原因はまだはっきりとわかっていません.二分脊椎には,2つのタイプあります.1つは脊椎の異常が表面から見えるもので顕在性二分脊椎といい,脊髄神経露出しているものは精髄髄膜瘤いいますもう一つ脊椎の異常が表面から見えないタイプ潜在性二分脊椎といいます.腰の背骨ところに脂肪のかたまりがある場合潜在性二分脊椎の疑いあります
最近は胎児診断発達したため,生まれ前に胎児超音波検査によって二分脊椎が発見されることがありますその場合には,さらに胎児MRI検査などをおこない生まれたあとの治療の計画立てます顕在性二分脊椎では,感染などの危険がありますので生まれてすぐに手術が必要です.
二分脊椎では,水頭症痙攣排尿障害排便障害下肢麻痺などの症状複数出ることがあります.したがって小児外科脳神経外科泌尿器科整形リハビリなど複数診療科協力して治療にあたります.

二分脊椎症

(二分脊椎 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 05:20 UTC 版)

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二分脊椎症
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
遺伝医学, 神経学
ICD-10 Q05, Q76.0
ICD-9-CM 741, 756.17
OMIM 182940
DiseasesDB 12306
eMedicine orthoped/557
Patient UK 二分脊椎症
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二分脊椎症(にぶんせきついしょう)とは、先天的に脊椎骨が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害の一つ。母胎内で胎児が脊椎骨を形成する時に何らかの理由で形成不全を起こし症状の軽いものは気付くことなく終わるが時に本来、脊椎の管の中にあるべき脊髄脊椎の外に出て、癒着や損傷をしていることがある。このように二分脊椎症には症状の重い開放性の二分脊椎症と症状の軽い潜在性の二分脊椎症があり、通常は開放性の二分脊椎症のことを指す場合が多い。脊髄髄膜瘤ともいう。下肢の麻痺や変形、膀胱直腸障害に因る排泄障害などが症状として見られる。

症状

主に仙椎腰椎に発生するが、稀に胸椎頚椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼす。

原因と有用とされる対処法

遺伝要因と環境要因の複合で発症すると考えられている[1] 。第一子が二分脊椎症だと、第二子でも約4%の確率で発症する[2]。 二分脊椎はバルプロ酸抗てんかん薬気分安定薬として用いられる)、ビタミンAの過剰摂取をはじめ多くの催奇形因子によって誘発される[3]厚生労働省は成長に欠かせないビタミンB群の一種である葉酸の摂取を十分に取ることにより発症リスクを70%減らす事ができるとし注意を呼びかけている[4]。女性が日量400μgを受胎3ヶ月前から妊娠中ずっと摂取すると70%の障害が予防できる[3]。全妊娠の50%は計画的なものではないため、妊娠可能年齢の女性全員が400μgの葉酸を毎日摂取する事が推奨される[3]。しかしながら、これらの対策はあくまでもリスクを減少させることが出来るというのみで、完全に無くすことは出来ていない。まして両親にその責を問うものでもないことが言及される。

合併症

二分脊椎の半数以上が水頭症を合併する。脊髄は脳脊髄液が満たされた骨の中にあるが、この脳脊髄液の循環器機能が阻害されて脳圧が上がってしまうと脳神経に重大な障害を引き起こすため、脳圧を一定に保てる様に「シャント」という管で脳室と心臓または腹腔を短絡し、脳脊髄液を逃がす手術をする。

また、幼少期より手術時にゴム手袋などのラテックス製品に触れる機会が多くラテックスアレルギーを発症するケースもある。

治療法

  • 出生後速やかに脳神経外科小児外科によって手術をする。
  • 膀胱・直腸障害により、排泄が困難となるため、排尿の場合はカテーテルと呼ばれる管を排尿時に使用する。排便の場合は、便秘になることが多いので、摘便(洗腸)や下剤を使用する。
  • 脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科を中心に眼科、皮膚科、内科等を含め、トータルなケアが必要とされている。また、様々な障害の程度があり、各々に合わせた適切な医療、教育、就職、結婚の問題までケースワークが求められている。

参考書籍

出典

  1. ^ What causes spina bifida?” (2012年11月30日). 2015年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月8日閲覧。
  2. ^ How many people are affected by or at risk for spina bifida?” (2012年11月30日). 2015年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月8日閲覧。
  3. ^ a b c T.W.サドラー、安田峯生訳 『ラングマン人体発生学』(第10版) メディカル・サイエンス・インターナショナル。ISBN 978-4-89592-650-8 
  4. ^ 厚生省 (2000年12月28日). “厚生省の神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための報道発表資料”. 厚生労働省. 2008年1月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年2月19日閲覧。

関連項目

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