肝臓の走査とは? わかりやすく解説

肝臓の走査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 06:59 UTC 版)

腹部超音波検査」の記事における「肝臓の走査」の解説

肝臓の精査では縦走査、右肋間走査右肋骨弓下走査、横走査という順に行うことが多い。深吸気なければ肝臓はほとんど肋骨覆われている。そのため縦走査、横捜査では常に肋骨の影となる部分ができてしまう。そのため、扇動操作行いできるだけ死角できないように努める。 縦走縦走査は心窩部では肋骨や肺に邪魔されることなく左葉のほとんどすべてを観察することができる。肝表面評価左葉大きさ評価を行うことができる。心窩部では腹部大動脈Ao)から腹腔動脈Ce)、上腸間膜動脈SMA)が分枝しSMA肝臓の間に膵臓見られるまた、左肝静脈腹側P3背側P2観察できる。右季肋部から前胸部にかけては胆嚢窩と下大静脈IVC)を結ぶカントリー線での断面を得ることができる(血管肝臓を貫くようにみえる)。肋骨影響肝臓格子状欠損して見える。右葉の肝縁の評価大きさ評価が行え、肝円索も確認できる右肋間走査 高度の萎縮例ではこの走査法によってのみ肝の描出が可能である。肝右葉門脈走行沿って描出が可能である。ただし肺に覆われ部分死角となることが多い。心窩寄りでは、門脈中心とした画像を得ることができる。門脈P5,P8に分枝し右肝静脈下大静脈胆嚢確認することができる。より外側で肺を見るつもりでプローブ当てると、右肝静脈下大静脈合流する様を確認できる。そう部位尾側を見るつもりでプローブ扇状操作する胆嚢近傍門脈がP6、P7分枝する様やS6と腎臓コントラスト確認することができる。 右肋骨弓下走査(横走査) 肝右葉中心とした実質肋骨影響なく広範囲観察ができる走査である。肝門部を中心として左右門脈胆管連続的に描出ができる。限局性病変に関しては肝区域概念基づいて理解しやすい。ただしキライディティ症候群や肝萎縮高度例では消化管ガス影響描出困難となる。また肥満例や腹筋発達例でも困難となる。心窩付近では門脈横部門脈臍静脈部の描出ができる。この部位ではS1からS4まで左葉区域がよく理解できる門脈横部から臍静脈部に入り、まずP2分枝し、T字型の分枝部ではP3とP4が分枝する。より外側では右肝静脈(RHV)、中肝静脈(MHV)、左肝静脈(LHV)が下大静脈IVC)に合流する様も確認ができる。さらに外側に行くと、門脈がP6とP7分枝する様も確認できる。このあたりでは胆嚢確認できる心窩部横走査 肝門部にある膵臓確認できる胃内空気影響膵臓確認できないときはプローブ尾側向けて肝臓経由膵臓を見るように心掛ける。または座位検査するわかりやすいくなる。膵管拡張して見えるときは脾動脈見ている可能性がある。

※この「肝臓の走査」の解説は、「腹部超音波検査」の解説の一部です。
「肝臓の走査」を含む「腹部超音波検査」の記事については、「腹部超音波検査」の概要を参照ください。

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