肖像画・スローガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 02:53 UTC 版)
1930年代以降は、中央の通路のすぐ上に中国国民党の指導者の蔣介石の巨大な肖像画が掲出されていた。その後1949年に国共内戦に勝利し中国大陸を支配することになった中国共産党の指導者の毛沢東はこれを受け継ぎ、蔣介石時代より中央の通路に近い位置に配置して毛沢東の肖像画が現在に至るまで掲示されている。ただし、1953年3月9日にはソビエト連邦の最高指導者であるヨシフ・スターリンを追悼して例外的にスターリンの肖像画に掛け替えられたこともあった。 肖像画の縦は約6メートルある。建国当時は軍服姿の毛沢東の肖像であったが1950年代半ばに「人民に親しまれるように」との目的で人民服姿の毛沢東に改められた(1960年説もあるが、1959年の建国10周年国慶節の映像を見るとすでに人民服姿である)。当初は張仕振が描いた完全な絵であったが、現在は写真をもとに精密に描かれたものになっている。 肖像画の絵は少なくとも建国から今日まで4回バージョンが変わっている。軍服姿(1949年~50年代半ば)→真正面からの人民服姿(50年代半ば→60年代半ば)やや斜めを向いた人民服姿(60年代半ばから80年代=毛主席語録にも採用されている有名なもの(参考))→現在の真正面からの人民服姿)。現在の肖像画は画家・葛小光の作品である。 この肖像画は油彩式で、国慶節の前日9月30日に塗り替えられ、10年ごとに更新される。1989年の六四天安門事件(第2次天安門事件)では学生が投げた(とされる)ペンキで汚されたことがある。なお2006年には60年代半ばから掲げられたバージョンの肖像画の元絵がオークションにかけられた、と人民日報が報じた。 肖像画の両側には左に「中華人民共和国万歳」(簡体字: 中华人民共和国万岁)、右に「世界人民大団結万歳」(簡体字: 世界人民大团结万岁)という大きなスローガンが掲示されている。これは日本人漫画家の小野沢亘と森茂によってデザインされた。なお建国時の右側のスローガンは「中央人民政府萬歲」であったが、1950年に現在の内容に変更された。また、当初は繁体字(左側が「中華人民共和國萬歲」、右側が「世界人民大團結萬歲」)だったが1964年に簡体字に変更された。また、1970年に木製から金属製に変更された。
※この「肖像画・スローガン」の解説は、「天安門」の解説の一部です。
「肖像画・スローガン」を含む「天安門」の記事については、「天安門」の概要を参照ください。
- 肖像画・スローガンのページへのリンク