肖像画の型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:47 UTC 版)
「子供時代のエリザヴェータ・ペトロヴナ皇女の肖像」の記事における「肖像画の型」の解説
肖像画は多くの観客を想定していなかったにも関わらず、いくつかの複製品が作られた。 図画家解説 ルイ・カラヴァク (?) エルミタージュの展示室にある縮小版の複製品は、ルイ・カラヴァク自身のものだった。それがどこに現存しているかは分かっていない。 ルイ・カラヴァク (?) もう一つの『子供時代のエリザヴェータ・ペトロヴナ皇女の肖像』が存在している。美術史家や修復人は、肖像画の劣悪な保存状態(塗料の多くの剥がれ、滲み、ぼやけ)により、その帰属を解明するのは難しく、また恒久的に絵が展示できるような状態にできるかも分からないとする。現在、サンクトペテルブルクの国立ロシア美術館(在庫番号Ж-9780)に所蔵されている。制作者を判断するのは難しいが、おそらく、この絵画はカラヴァクが再度描いたものである。 キャンバスに油彩の技法によって描かれており、大きさは97.5×85.5cmである。パステルの後部に「Кз 31413 Каравакъ」と記述されている。ストレッチャーの上段には鉛筆で「№ 16 Елис. Петр. ???」と記述されており、青い鉛筆で「КП3981, Э24」と記述されている。中央には、青い鉛筆で「701/ Ф. И.」、ブラシで「Елисав. Петр.」、ブラシを用いて右の垂直の枠に「IV」、黒で「122」、底には「Г. Р.М. инв. № 7071」(番号は取り消し線が引かれている)という印が押されており、ブラシで「ГЭ 4308」と書かれている。以前は冬宮殿のロマノフギャラリーに肖像画が置かれていたが、1930年からはロシア美術館のエルミタージュに所蔵されている。この絵は1897年にアレクセイ・ロバノフ=ロストフスキーの所有から冬宮殿に移された。 ゲオルク・クリストフ・グロース 1740年代、ゲオルク・クリストフ・グロース(ロシア語版)は、『フローラとしてのエリザヴェータ・ペトロヴナの肖像』(1748年-1749年、プーシキンの宮廷博物館所蔵)を描いている。グロースは、絵の基盤として長方形の銅板を選択し、銀の枠の中に絵を配置した。画家は人物の身体の曲線を強調し、観客に花輪を見せるコケットリーな仕草を描いた。青みがかった灰色が銀枠の色と組み合わされており、身体の艶めかしい輪郭やドレーパリー(ロシア語版)の折れ目、花輪などが描かれている。彼の絵に描かれている少女の年齢は、カラヴァクの絵に描かれている少女よりもずっと年上である。画家は彼女の姿に成熟さを加えた(明らかに、成人期のエリザヴェータ・ペトロヴナの姿に焦点を当てている)。いくつかの色も変更され、幅広く銀枠によって纏められている。 ゲインリフ・ブッフホルツ 1760年代と1770年代(既にエカチェリーナ2世による統治時代)には、画家ゲインリフ・ブッフホルツ(1735年-1781年)によってかなり正確な複製品が制作された。この版は、ペテルゴフ宮殿の博物館に所蔵されている。
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