肖像画を巡る謎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:50 UTC 版)
エンリケ航海王子を表した肖像画と言えば、一般に黒いシャペロン(英語版)を被った口髭を生やした人物とされている。この根拠となったのは1837年に発見された『ギネー発見征服誌』で、黒いチャペロンを被った口髭を生やした人物の挿絵の下に「最善を尽くせ」と言うエンリケの標語が発見されたことから、挿絵の人物がエンリケ航海王子だと見なされたのである。 そして、1883年に『サン・ヴィセンテの祭壇画』が発見され、向かって左側から3番目の聖ヴィンセンテの右側に居る人物が『ギネー発見征服誌』の肖像画と同じ事から、これもエンリケと見なされ、“黒いチャペロンを被った口髭を生やした人物”と言うエンリケ航海王子像が定着したのである。 しかし、最近ではこの人物は棺の彫像の顔から寧ろ兄のドゥアルテ1世で、エンリケは向かって右から3番目の最前列の人物ではないかとの説が出ている。エンリケの棺の彫像と顔が似ている事、着ている服装がキリスト騎士団の物で、同騎士団の紋章を身に付けていることが理由である。
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