経済学における業績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/22 03:05 UTC 版)
「エヴゲニー・スルツキー」の記事における「経済学における業績」の解説
彼は主に、彼の非常に有名なスルツキー方程式(英語版)の中で具体化された、価格と需要量の関係の導出における業績で知られている。この方程式は、財、またはその財の量に交差価格効果を持つ関係財の価格変動によって需要された財の総量について、価格変動の代替効果と所得効果を分離するために、ミクロ経済学で広く用いられる。 彼は、その同時代の人の数名ほどには西側経済学者に知られていないが、これは彼に強いられた外部要因、即ち1917年のロシア革命だけでなく、彼自身の知的興味の変化にもよるところがある。経済学における彼の発展性のある論文、そしてある人は確率論というよりはむしろ彼の最後の経済学という論文は、1915年に出版された("Sulla teoria del bilancio del consumatore"("On the Theory of the Consumer"))。ポール・サミュエルソンは、第一次世界大戦と論文がイタリア語で出版された為に、スルツキーの1915年の「傑作」に1936年まで全く気づかなかった、と述べた。ロイ・アレンは1936年と1950年に出版された論文の中の消費者理論に関するスルツキーの研究を普及させることに最も貢献した。 ビンセント・バーネット(バーミンガム大学)は以下のように論じている。 スルツキーが全てのロシア・ソ連・ウクライナの経済学者の中で最も、有名なニコライ・ドミートリエヴィチ・コンドラチエフやレオニート・カントロヴィチ、ミハイル・トゥガン=バラノフスキー「よりも」有名である、という考えの好例を挙げることができる。スルツキー方程式、スルツキー・ダイヤモンド、スルツキー行列、スルツキー=イュール効果 (?) のような彼の名のついた概念がある。そして1980年から1995年の間で彼の名前から導かれるジャーナル文献の検索は、スルツキーの研究のいくつかの観点を直接用いた79件の記事を検索した・・・・・・。その上多くのミクロ経済学の教科書が、消費者行動に関する理論へのスルツキーの貢献、特にジョン・ヒックスによって「価値理論の基本方程式」と命名されたスルツキー方程式への突出した言及を含んでいる。スルツキーの研究はそれゆえに、同時代の主流経済学および計量経済学の不可欠な部分であり、他のソ連のどの経済学者も、そして恐らくは他のロシアやウクライナのどの経済学者でさえも、その功績を実際に主張することはできない。 — バーネット、Barnett (2004) 1920年代にスルツキーは確率論と確率過程に関する研究へ転向したが、1927年に彼は経済学に関する第2の有名な論説、『周期的過程の源泉としての乱数的原因の合計』("The Summation of Random Causes as a Source of Cyclical Processes")を出版した。これは、初めに何事も無いときに偶然の出来事が周期性を作り得ると仮定することで、景気循環理論に対する新しい手法を開発した。
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