精神保健政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:21 UTC 版)
世界保健機関(WHO)のファクトシートでは以下が挙げられている。 精神保健 10の事実(10 FACTS ON MENTAL HEALTH) 世界の児童・青年のうち、約20%が精神障害・問題を抱えている。 精神障害・物質乱用は、世界の障害者の多数を占める。 世界では、毎年約80万人が自殺で亡くなる。 戦争と災害は、精神保健と精神的健康に大きな影響を与える。 精神障害は、他の傷病(意図的な外傷、意図しない外傷など)と同じ、大きな疾病上昇リスクファクターである。 患者や患者家族へのスティグマ・差別は、人々を精神障害の治療から遠ざける。 多くの国々では、精神障害・社会的行動障害をもつ人々への人権侵害が繰り返し行われている。 精神保健従事者の人的資源は、世界的に大きな偏りがある。 精神保健サービスの普及を妨げる障壁は主に5つあり、公衆衛生政策の欠如と財源不足、現状の精神保健サービス団体、プライマリケアとの連携欠如、従事者人材の不足、公衆精神衛生におけるリーダーシップ欠如である。 サービス向上のために割かれる財源は、現状では相対的に控えめである。 — 世界保健機関、2014年 WHOの2004年の報告では、障害調整生命年(DALY)の上位20障害のうち、大うつ病性障害、アルコール障害、精神病(双極性障害、統合失調症など)の精神障害が多くを占めていた。 またOECD諸国においては、人口の約50%は人生のある時において精神障害を経験するとされる。市民の平均15%、労働年齢人口の20%ほどが精神保健問題にて医療機関を受診している。重症の障害を持つ人々は失業リスクが6-7倍となり、平均寿命は一般より20年も短い。 しかし治療が必要とされる人の60%が、治療を受けられていないとOECDは推定している。メンタルヘルスの未治療率について、WHOは2004年に、統合失調症は32.2%、うつ病は56.3%、気分変調症は56.0%、双極性障害は50.2%、パニック障害は55.9%、全般性不安障害は57.5%、強迫性障害は57.03%、アルコール乱用・依存は78.1%だと推定している。 世界の約3分の1(36%)の国々において、公式承認された精神障害の管理・治療マニュアルが、主なプライマリヘルスケア診療所にて存在しているとWHOは報告している。OECDはプライマリケアに携わる総合診療医に対して、市民の精神保健について中心的な役割を果たすことを期待している。 「精神障害#疫学」も参照
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