第8代総選挙 (だい8だいそうせんきょ)は、大韓民国 国会 を構成する議員 を選出するため1971年 5月25日 に投票が行なわれた第三共和国 時代の韓国における選挙 である。韓国では「第○回」ではなく「第○代」と選挙回数を数える。また名称も「総選挙」(총선거 )ではなく、「総選」(총선 )と表記するのが一般的である。
基礎データ
地域区(小選挙区制 ):153議席
全国区(比例代表制 ):51議席
議員任期 :4年
選挙制度 :小選挙区比例代表並立制 。有権者は地域区の候補者にのみ投票(記号式 )。全国区は地域区で獲得した得票率に応じて各党に配分(詳細は第6代総選挙 に書いているので、そちらを参照)。無所属の立候補は禁止
選挙人数 [ 1] :15,610,258名
立候補者数 [ 1] :576名(地域区)
投票者数[ 1] :11,430,202名
有効票数:11,195,922票
党派別議席数と地域区得票
政党名
得票数
%
地域区
全国区
合計
%
民主共和党 (민주공화당 )
5,460,581
48.8
86
27
113
55.4
新民党 (신민당 )
4,969,050
44.4
65
24
89
43.6
国民党 (국민당 )
454,257
4.0
1
0
1
0.5
民衆党(민중당 )
155,277
1.4
1
0
1
0.5
その他の政党
156,757
1.4
0
0
0
0.0
合計
11,195,922
153
51
204
100.0
出所:金浩鎮著『韓国政治の研究』李健雨訳、三一書房 、238頁“(表8-4)第6・7・8代国会議員総選挙”。得票数は大韓民国国会ホームページの 「政党議席数及び得票現況」 。議席を獲得出来なかった政党(統一社会党 ・大衆党 )の得票は「その他の政党」として合算して掲載。
女性当選者
党派
全国区
民主共和党
4
新民党
1
合計
5
女性議員比率2.5%。出所:春木育美『現代韓国と女性』(新幹社)158頁“表5-1「歴代女性国会議員数」”、170頁。
地域別議席数
市・道
合計
党派
共和
新民
国民
民衆
合計
153
86
65
1
1
ソウル特別市
19
1
18
0
0
釜山直轄市
8
2
6
0
0
京畿道
16
11
4
0
1
江原道
9
8
1
0
0
忠清北道
8
6
2
0
0
忠清南道
15
11
4
0
0
全羅北道
12
6
6
0
0
全羅南道
22
15
7
0
0
慶尚北道
24
15
8
1
0
慶尚南道
18
9
9
0
0
済州道
2
2
0
0
0
出所:アジア動向データベース 1971年度韓国 国家機構図・名簿・ドキュメント 5.国会議員選挙結果(1)地域区結果(市道別) -(2010年10月25日閲覧)
解説
前回の第7代総選挙で圧勝した与党共和党は過半数こそは維持したものの、憲法改正を単独で実施するために必要な3分の2の議席を確保することが出来なかった。一方の野党新民党は、「珍山波動 」で党内が混乱したまま挑んだにもかかわらず前回の倍近い躍進を果たした。この結果は、朴大統領の説得によって党副総裁に復帰した金鍾泌が、共和党が立法府を抑えるための過半数の議席は確保しつつ改憲に必要な3分の2にはあえて至らないように、共和党の選挙不正を牽制[ 2] したとの指摘もなされたが、実際は3選改憲で大統領に就任した朴正熙に対する国民の批判が新民党に集まったことが最大の理由であるといえる。また地域別で見た場合では、ソウル市と釜山市で新民党が第一党に、共和党は京畿道や江原道、忠清北道・南道、全羅南道、慶尚北道で第一党になった。結果、都市部では新民党が優勢、共和党は農村地域で優勢になる「与村野都 」現象が前回と同様に現れた。
当選議員
小選挙区
民主共和党 新民党 国民党 民衆党
補欠選挙
年
日付
選挙区
当選者
当選政党
欠員
欠員政党
欠員事由
1971
12.14
慶尚北道 達城郡 ・高霊郡
朴浚圭
民主共和党
金成坤
民主共和党
離党により議員職喪失
全国区
繰上当選
年
日付
当選者
名簿政党名
欠員
欠員事由
1971
10.5
金玉子
民主共和党
吉在号
離党により議員職喪失
1972
1.21
魯璡煥
民主共和党
黄鍾律
死去
脚注
^ a b c 韓国中央選挙管理委員会の「歴代選挙情報システム」より引用。
^ 国史編纂委員会 金容権 編著『朝鮮韓国近現代史』日本評論社 、470頁「5・25総選挙(第8代総選挙」の解説より
参考文献
関連項目
外部リンク
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