第4楽章 Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro
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「交響曲第1番 (ブラームス)」の記事における「第4楽章 Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro」の解説
第4楽章 Musopenより この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 ハ短調(後にハ長調)、序奏付きのソナタ形式、4/4拍子。 第1楽章の序奏の気配が回帰したかのような重い序奏でゆっくりと始まる。序奏は2部構成。重い気配が弦楽器のピチカートと交代しながら駆け上がっていくと、頂点でティンパニ・ロールによってさえぎられ、ハ長調のアルペンホルン風の朗々とした主題がホルンによって歌われ、序奏の第2部に入る。この主題はクララ・シューマンへの愛を表しているとされ、クララへ宛てた誕生日を祝う手紙の中で"Hoch auf’m Berg, tief im Tal, grüß ich dich viel tausendmal!"(「高い山から、深い谷から、君に何千回も挨拶しよう」)という歌詞が付けられている。フルートがこれをリピートしたあと、トロンボーン・ファゴットがこの主題の先をさらにコラール風に続けて歌う。 以上の緩徐部分(序奏)が静かに終了すると、弦楽合奏が歌曲風の、16小節からなる二部形式の明確な楽節構造をとった第1主題をハ長調、アレグロ・ノン・トロッポで演奏し始める。この歌唱的主題はしばしばベートーヴェンの第九における歓喜の歌との類似性が指摘される。第2主題はアルペンホルンの動機「EDCG」のCをFisにおきかえたもので、これも弦楽合奏で演奏される。小結尾はホ短調となり高揚的な新しい句が登場し、提示部のクライマックスを形成していく。展開部は第1主題が原型で再現する。この第1主題は再現部で再現されないので、ここを再現部とし、本楽章には展開部がない、あるいは再現部内に展開部があるという見方もできる。またアルペンホルンの主題が第1主題なのであり、この歌唱的主題はアルペンホルンの主題から導かれた第1主題の派生的主題と見ることもできる[要出典]。展開部では第1主題が展開され、そこからさらに楽想は広がってクライマックスを作っていくが、やはりティンパニ・ロールの強奏を迎えると、それを合図にアルペンホルンの主題が悠然と再現され、再現部に入る。歌唱的な第1主題は再現されないが、第2主題、小結尾は型通りに続く。コーダは、第1主題の冒頭の形を低弦楽器がオスティナートで繰り返しながら混沌の緊張を高めていくと、ピウ・アレグロ 2/2拍子の行進曲調に抜け出る。その行進の足が止まったところで、序奏部でトロンボーンとファゴットによって歌われていたコラール風主題がファンファーレとして高らかに奏でられる。最後に今までの動機が華やかな姿で次々と現れ、主和音の四連打を経て、壮麗に全曲を閉じる。
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