立法への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 04:17 UTC 版)
「トラビス (チンパンジー)」の記事における「立法への影響」の解説
コネチカット州のリチャード・ブルーメントール(英語版)検事総長は、現行の2004年のコネチカット州法の不備な点は、トラビスの大きさを基準にチンパンジーの飼育を禁じるに至った2003年の事件の結論に起因するものであり、その間違った結論が結果として今回の惨劇を引き起こしたと記している。コネチカット州環境保護局(DEP)のスポークスマンは、トラビスには公衆衛生上の危険は認められていなかったし、法的に登録が必要とされる以前にすでに飼育されていたのでという理由から飼い主は法的に責任を負うことはないことを明らかにした。ブルーメンソール検事総長は政界の大立者やDEPの理事に、コネチカットの居住環境を守るためにチンパンジー、ワニ、毒蛇などの潜在的に危険なすべての外来動物の飼育を禁じる法律案を支持するように要請する手紙を送ったのである。DEPは大型霊長類の飼育を禁ずる類似の法律の制定を求め、事件後、一般市民、警官、動物管理局員に対しそのようなペットについて行政機関に報告するように求めた。 コネチカット州スタンフォードの新聞『アドボケート(英語版)』の編集会議はすべての外来種の鳥類と爬虫類の所有の禁止を主張した。 連邦下院のアール・ブルーメナウアー(英語版)議員は、2009年1月6日に、州および国境を跨いでの売買が禁止されている「禁止野生動物」のリストに小型の猿、類人猿、キツネザルを加える「捕獲霊長類安全法(英語版)」を上程していた。これは、以前2007年7月10日にエディー・ジョンソン(英語版)により上程され、下院は通過したものの上院では通過しなかった法案の二度目の上程であった。 本事件は、同法案への後押しとして『合衆国動物愛護協会』を『野生生物保護協会』に協力させるという副産物をもたらしている。 本事件は、2009年2月23日に、マーク・カーク下院議員など超党派的な17人の賛同者による同法案の再上程という結果をもたらした。これに対し、ロブ・ショップ下院議員は議場での議論において、毎年400万ドルの費用が掛かり、チンパンジーの人間への攻撃を防ぐのに何の効果もないとして同法案に反対する論陣を張った。また同議員はチンパンジーの人間への攻撃はそう起こりうるものではないとも主張した。 全米20州とコロンビア特別区には既にペットとして霊長類を飼うことを禁止する法律がある。 2009年2月23日、議会は325対95で同法案を通過させ、『ニューヨーク・タイムス紙』と『ニューズデイ紙』を含む複数の主要な新聞の編集委員たちはそれを支持した。しかし、法案は上院を通過しなかった。
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