科挙と近代化とは? わかりやすく解説

科挙と近代化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:00 UTC 版)

科挙」の記事における「科挙と近代化」の解説

日中比較教育史』は、日本との比較において、中国近代化遅れた理由ひとつとして科挙制度影響挙げている。なぜ中国西欧学問思想導入遅れたのか、同書はその理由に、科挙による中国学問・教育硬直化と、江戸期日本学問柔軟性との差を指摘している。 科挙制度確立により、中国世界類をみない教育国家であり続けた科挙合格しえすればだれでも政権中枢到達できるため、当時中国教育中心科挙のためのものとなり、儒学以外の学問への興味失われがちだった。また、科挙合格するための教育主流であった中国では、学習者ある程度地位財力を持つ者に限られた。さらに、科挙本質文化的支配体制確立であったため、権威権力密接し論争的創造的学問排除された。 それに比して江戸期日本では公的試験はあったものの、科挙のような選抜の意味合いがなかったため、学問とは官吏になるためのものではなく、あくまで個人教養のためのものだった官立学校確立していた中国違い学校はほとんどが私塾であり、そのため多様な学問取り入れられ新し学問導入積極的かつ容易であった学問趣味という認識強く出世絶対的な道具でなかった日本では年齢階級かかわらず学習者一定の階層固定せず庶民にまで広がり世界的にも高い識字率実現したまた、朱子学批判した荻生徂徠徂徠学影響さまざまな研究好まれた。支配階級である武士実用性合理性のある学問尊重したため、西洋学問の導入にも理解があった。

※この「科挙と近代化」の解説は、「科挙」の解説の一部です。
「科挙と近代化」を含む「科挙」の記事については、「科挙」の概要を参照ください。

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