県民の反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 06:13 UTC 版)
1980年代当時、愛知県民および名古屋人にとってエビフライは一般的な食べ物という意識はなく、「エビフリャー」という言葉を日常的に使用する者はいなかったと言われる。そのため県民の中には一連の風潮をおおらかに受け入れ、冗談と知った上で「エビフリャー」の言葉を使用する者もいた。 その一方で、名古屋を揶揄する風潮に反発し「名古屋弁を馬鹿にしている」「エビフリャーなんて使わない」「語尾に『みゃあ』などとはつけない」「今の名古屋人は、『みゃあみゃあ』などとは言わない」「ドラマやアニメで『そうだみゃあ』『食べるみゃあ』『違うみゃあ』とか言うけど、あんなの嘘」と猛然と抗議する者もいた。2017年の調査では、50代から70代の名古屋人からは、「ネタ自体はハッキリとは覚えていないものの、タモリが名古屋をネタにして以来、名古屋が見下されるようになった」という意見が複数あった。また同じ調査で30代から40代の名古屋人からは、「かつてタモリの番組を子供が見ると文句を言われた」という主張が複数あった。 また、書籍編集者の岩中祥史は「名古屋人だけが特別に多くエビフライが食べている訳でもなければ、名古屋の伝統的な名物にある訳でもないのだ」と関係性を否定、作家の舟橋武志は一連の風潮について「ダサいと聞いて名古屋を連想する人もいるが、あれは元々埼玉を指す形容詞なのだ。こんな言葉、全然名古屋とは関係ない」と主張した上で「また他所の人から『目くそ、鼻くそを笑う』と言われかねない」と自嘲した。 東海地方で発行される日刊新聞『中日新聞』はタモリへ直接取材を試み、1981年(昭和56年)12月7日付けの同紙においてエビフライに関する記事を掲載した。取材の際、記者は「名古屋と(名物として周知されていない)エビフライとを関連付けるのは無理がある」と迫ったが、これに対してタモリは次のように発言し記者からの追及をかわした。 名古屋人全体がエビフライ好きだなんて思ってないんですが、色々と決めつけると面白いんで。これがまた不思議と当たるんですよ。甲子園のベスト8に残ったチームの夕飯のメニューを調べてもらったら、だいたい豚カツかステーキですね。敵に勝つと。ところが名古屋電気だけは、エビフライときてたもんね。あれには驚いちゃった。 — タモリ その後、1995年(平成7年)6月16日付けの『中日新聞』において、元同校監督の中村豪の「実際はエビフライを食べていない」との証言を掲載してタモリの唱えた逸話を否定したが、それまで14年の年月を費やす結果となった。
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