疑問点・難点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/11 09:42 UTC 版)
「タイムドメイン・スピーカー」の記事における「疑問点・難点」の解説
インパルス応答性能が良いに越したことはないが、それだけではスピーカーの一部分の性能を見ているに過ぎない。 タイムドメイン理論で製作されたスピーカー類は全て分類や性格が異なり、これらをタイムドメイン・スピーカーという1つの言葉で分類してしまうことが理解を難しくしている。 旧来のフルレンジ型のシステムでもインパルス応答は良好であり、またキャビネットが強固であれば、小音量ではキャビネット付帯音は問題にならない。実際、GS-1ではラワン合板と米松単板6枚貼りあわせの7層構造に加え、ダンピング材と鉄板によって拘束することで振動を抑えている。またインパルス応答を悪化させるバスレフ方式を使用している。由井自身はこれはスピーカーの背圧を抜きつつ背部の音を消すための構造で自動車の消音機のようなものであり、バスレフでは無いとしている。 ユニットに取り付ける錘は重量が十分に無いとスピーカー自体が振動することになり、インパルス応答は悪化するはずである。 キャビネットの影響を極力排除する構造であるため、箱型スピーカー以上にユニットの性能が強く表れやすい。そのため質の良くないユニットを用いた場合はその粗も現れやすい。またコーン型のフルレンジ・スピーカーユニットを使用している以上、コーンやフレームなどの影響を避けることは不可能だと考えられる。タイムドメイン・スピーカーに適するユニットは磁気回路が強力で軽量な振動系が適するとされ、由井自身は内部損失が高く軽量な紙製振動板と布製エッジを用いたものが適するとしている。 小口径ユニットのため大音響の用途には向いておらず、また間接音を有効に使うため、比較的に小さめで吸音が少なく反響音の多い部屋での視聴で大きな効果が得られる。またソースとしては環境音などの左右反相成分を多く含んだライブ録音が効果的である。 「タイムドメイン・ライト」のアンプの入力部には入力ヴォリュームとコンデンサによるHPF回路が組まれており、音量を大きくすると低域が出なくなっている。スピーカー保護の役目を果たすとはいえ、入力波形をいじっている。
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