申請段階
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「2016年夏季オリンピックの開催地選考」の記事における「申請段階」の解説
2016年夏季オリンピック開催の立候補申請は2007年9月13日に締め切られ、申請を行った7都市は2008年1月14日に第1段階の申請ファイル提出要件も満たした。その後、IOC の作業部会が各都市のファイルを精査し、11項目ごとに点数評価を行った。11項目とは「政府支援・世論」、「インフラ」、「競技会場」、「選手村」、「環境・影響」、「宿泊施設」、「交通」、「治安」、「国際大会開催経験」、「財政」、「遺産・有効活用」で、それぞれ重要度が異なる。IOC作業部会によって設定された重要度は1から5まで(5が最高)あり、申請都市がこの段階で提出した各種情報を考慮し、準備期間の7年でオリンピック大会を組織運営するのに必要なレベルに到達できうる可能性を織り込んだものとなっている。これらの最大・最小評価値から総合平均点を算出し、IOCが事前設定した基準の6点を上回る都市はオリンピックを開催できる能力が高いと見なされ、6を下回ると可能性がほぼ無くなる。作業部会による得点表は以下の通り。 IOC作業部会による2016年大会申請都市の実現可能性を評価した得点表項目(重要度)/都市(国)バクー― アゼルバイジャンシカゴ― アメリカ合衆国ドーハ― カタールマドリード― スペインプラハ― チェコリオデジャネイロ― ブラジル東京― 日本最小値最大値最小値最大値最小値最大値最小値最大値最小値最大値最小値最大値最小値最大値政府支援および世論(重要度2) 5.7 7.4 6.2 7.9 7.0 8.7 7.5 9.0 4.3 6.7 7.3 8.8 7.0 8.5 インフラ(重要度5) 3.8 5.6 5.5 7.4 5.5 7.5 7.9 8.9 4.2 6.0 5.3 7.2 7.6 8.9 競技会場(重要度4) 3.2 5.6 5.8 7.2 6.8 8.2 7.9 8.8 5.0 6.3 5.8 7.4 6.9 8.7 選手村(重要度3) 6.8 8.1 7.0 8.6 6.9 8.6 7.4 8.7 4.9 7.2 6.0 7.7 7.5 8.9 環境および影響(重要度2) 4.2 6.0 6.0 8.0 6.4 8.2 7.4 8.8 5.4 7.4 5.6 7.6 7.6 8.8 宿泊施設(重要度5) 2.6 4.8 9.4 9.8 5.5 7.7 7.8 8.8 5.1 5.8 5.5 6.4 9.6 10.0 交通(重要度3) 6.0 8.5 5.3 7.8 6.5 8.3 8.0 9.0 4.8 7.0 5.5 7.5 7.5 8.5 治安(重要度3) 4.4 5.8 7.1 8.2 5.5 7.1 7.1 7.9 4.4 6.1 4.6 7.0 7.9 9.0 国際大会開催実績(重要度2) 3.8 6.4 5.4 8.0 6.0 7.6 7.2 8.2 4.4 6.4 6.6 7.9 6.0 8.0 財政(重要度3) 4.8 6.4 6.5 8.0 6.7 8.6 6.5 8.5 4.8 6.7 6.0 7.7 7.0 8.5 遺産および有効活用(重要度3) 3.0 5.0 5.0 8.0 5.0 7.0 8.0 9.0 4.0 5.0 5.5 8.0 7.0 9.0 総合平均点4.37.06.98.15.36.48.3 全都市中最高点 全都市中最低点 最高点タイ 最低点タイ 2008年6月4日、IOCは候補都市として通過した都市を発表した。基準の6点を上回る5都市のうち、東京、マドリード、シカゴ、リオデジャネイロの4都市が正式候補都市として次の段階に進んだ。ドーハよりもリオデジャネイロを選出したことで、より評価点の高い都市が落選しており、IOCは前例に無いことをした(通常であれば、IOCは基準点を上回った都市全てを通過させる)。ドーハの弱みである、人口の少なさ、施設の欠如、IOCの希望時期から外れた大会日程という3点は、IOCが適格と認めるには障害が大きすぎた可能性がある。
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