工法の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 00:40 UTC 版)
軌間は1,435ミリメートル(標準軌)で開業した。1908年10月の軌道敷設特許申請段階では762ミリメートル軌間で計画し、同年12月には1,067ミリメートル軌間で特許を取得しているが、開業までに再度変更されていた。 集電方式は架空電車線方式の中でも現代の電気鉄道と同様の単線架空式を採用した。当時の路面電車では、地中の鉄管や周辺の電気機器への影響を考慮して帰電をレールではなくもう1本の架線に流す複線架空式(車両にはトロリーポールを1本ではなく2本取り付ける)が主流であったが、福博電気軌道には工費の安い単線架空式が認められた。沿線にある九州帝国大学医学部(当時は京都帝国大学福岡医科大学)が単線架空式採用に反対し、支持する福岡県と対立して一時内務省や文部省を巻き込む騒動となったが、最終的には大学付近のみ複線架空式とするという条件で決着した。その後大学との交渉がまとまり、九州電灯鉄道時代の1912年10月より全線が単線架空式となっている。 またレール敷設時の工法簡略化も認められた。路面電車ではレールに溝型レールを使用しその周囲に敷石を置くのが一般的であるが、福博電気軌道では通常の鉄道と同じ「工」字型レールを使用したのである。ただし開業時の暫定措置であり、九州電灯鉄道時代の1914年11月から1915年(大正4年)5月にかけて軌道条例規定の溝型レールへと交換された。
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