田子の浦とは? わかりやすく解説

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たご‐の‐うら【田子ノ浦】

読み方:たごのうら

静岡県富士市南部海岸古く富士川河口以西をさした。富士山眺望名所白砂青松(はくしゃせいしょう)の地として知られる。[歌枕

「—ゆうち出で見ればま白にそ富士高嶺降りける」〈万・三一八


田子の浦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 08:51 UTC 版)

田子の浦(たごのうら)は、駿河湾西沿岸を指す名称であり歌枕万葉仮名では田兒之浦(田兒浦)とあり、『続日本紀』や『平家物語[注釈 1]には多胡浦とある。


注釈

  1. ^ 延慶本『平家物語』巻十一(大東急記念文庫蔵)
  2. ^ 『万葉新採百首解』
  3. ^ さて此田子のうらより打出て見れば不盡の高ねの雪の真白に天に秀たるを、こはいかでとまで見おどろきたるさま也、何事もいはで有のままにいひたるに、其時其地その情おのづからそなはりて、よにも妙なる歌也(『宇比麻奈備』)
  4. ^ 下河辺長流『続歌林良材集』
  5. ^ 富士川より東は富士郡となるため、その場合庵原郡からは距離を隔てることになる
  6. ^ 富士郡田子村の項
  7. ^ 薩埵山の峠が薩埵峠である

出典

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