産業集積の負の側面
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北工業団地の地下水汚染問題シチズン東北(北工業団地)は2006年(平成18年)7月24日、同社敷地内の地下水において1999年から8年間にわたり、トリクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレンが、地下水環境基準値を上回っていた(地下水汚染)にも係わらず放置していたことを公表した。県への報告を怠り、条例違反に当たる。2006年(平成18年)3月の調査によると、トリクロロエチレンは0.54mg/L、1,1-ジクロロエチレンは0.23mg/Lを検出。同社は、地下水汚染が会社敷地内にとどまらない可能性もあるとして、2006年(平成18年)7月22日に住民説明会を開催。半径1km以内の民家342世帯を対象に、井戸の有無を緊急調査し、51世帯(うち25世帯が飲料水として使用)の井戸水を調査した。 後藤製作所(北上市北工業団地)は2006年(平成18年)10月16日、同社敷地内の地下水において少なくとも1989年から17年間にわたり、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、シス-1,2-ジクロロエチレンが地下水環境基準値を上回っていた(地下水汚染)にも係わらず放置していたことを公表した。さらに2006年夏に近隣において発生した地下水汚染(シチズン東北)からの地下水汚染の拡散確認調査の要請を「井戸はない」と事実と反する回答で拒んでいたこともあわせて公表した。トリクロロエチレンは、最高濃度は2003年(平成15年)11月7日の調査で、14.6mg/L(地下水環境基準の約487倍)、1,1,1-トリクロロエタンは同環境基準の約19倍。シス-1,2-ジクロロエチレンの最高濃度は、2006年(平成18年)10月3日同環境基準を26.5倍上回った。なお後藤製作所は汚染拡散の可能性は認めるものの自社敷地外の調査は予定していない。 廃棄物処理施設の火災に伴う環境汚染問題2006年(平成18年)9月5日に廃棄物処理施設のクボタリテックス北上資源化センター(北上市和賀町後藤)にて火災が発生。出火当時、施設内には廃プラスチックや木くず、紙くず、繊維くずなど約300tと焼却灰が約400tあり、6日午後に鎮火するまでの間、数百tの産業廃棄物が燃えた。これにより、大気、水質にダイオキシン類が拡散。岩手県および北上市が公表(2006年(平成18年)11月27日・29日)した内容によれば、大気中のダイオキシン類濃度は測定点6箇所で国の環境基準 (0.6pg-TEQ/m3) の3分の1から10分の1で農作物への影響はきわめて少ないとした。周辺の水質では、測定地点9箇所のうち環境基準が適用される3箇所で環境基準を上回った。水質において最も高濃度地点は現場から約2km離れた後藤野幹線用排水路で環境基準の91倍。現場から約4kmの尻平川橋付近では1.2(pg-TEQ/L). 和賀川の測定結果は環境基準の約20分の1で、市民生活への影響はないとみられるとした。 クボタリテックスは、当該施設において過去2回の問題((1)2005年秋のダイオキシン改ざん、(2)2006年(平成18年)6月17日のロータリーキルン・ストーカ焼却炉からのダイオキシン類を含む約1,300m3のガス漏れ(AM11:54 - PM12:57)と合わせ3回の問題を発生させたことから、同工場の撤退を住民説明会(2006年(平成18年)10月21日)にて公表。 クボタリテックスの公表(2006年(平成18年)10月25日)によると、9月の火災の際の消火廃水を含む汚水約2.5m3を、2006年(平成18年)10月21日施設外に流出したと発表。廃水にはダイオキシン類を含む可能性がある。貯水槽(容量600m3)から汚水を排水処理設備調整槽に移す作業をした際、作業員がポンプの操作を誤り、調整槽から汚水をあふれさせたという。同センターは同夜、工業団地内雨水排水路から4m3のみを回収。
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