産業金融に徹する
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 22:49 UTC 版)
小原は「銀行は晴れた日には傘を貸して、雨が降り出すと取り上げるというが、信用金庫はそういうことではいけない」、「企業に対しては、相手の立場に立って、低利の良質な資金を安定的に供給し、その健全な育成発展に貢献することが金融機関の使命である」と述べ、これを「産業金融」と称していた。そして、そのためにも、信用金庫は日頃から企業の経営実態を的確に把握し、親身なアドバイスに努めることが大切であると述べた。金融自由化や証券化により、間接金融から直接金融へというスローガンの下金融機関による投資信託やデリバティブの販売が拡大し、市場で金融商品を売買して利益を得る「市場金融」が拡大しているが、小原はこれを批判し「産業金融に徹する」ことの大切さを常に強調していた。かつてヒルファーディングやケインズ、ハイマン・ミンスキーも市場金融に警鐘を鳴らしていたが、近年、市場金融の拡大が製造業などの国民経済の安定的な発展につながらず、アジア通貨危機やリーマンショックなどを引き起こす中で、間接金融による「産業金融」を重視する小原の考えが再評価される。
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