環境負荷の観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:56 UTC 版)
蛍光灯が使用する水銀は『環境負荷物質』として、EU域内では、RoHS指令による規制の対象であるが、蛍光灯を代替できる他の技術が確立されていなかったことや、蛍光灯が広く普及していたこと、発光原理上水銀を使用せざるを得ないことを理由として、蛍光灯への使用は許容されている。 しかし、水銀の使用と輸出入を2020年以降規制する、水銀に関する水俣条約 が2017年8月16日に発効、これを受け日本でも廃棄物処理法に新たに水銀含有廃棄物の区分が設けられ、廃棄蛍光ランプも『有害廃棄物』として管理を求められるなど、処分費用の負担が増加することから、産業廃棄物処理業者の中には、廃棄蛍光ランプの受け入れを取りやめたり、追加費用を請求する例が出ている。家庭から排出される廃棄蛍光ランプを無料回収していた量販店も、東急ハンズなど一部は有料回収に切り替えている。 蛍光灯を代替する技術として、LED照明も既に実用化されていることから、日本においては、新築のオフィスビルなどでは全館LED照明を採用する事例も増えている。家庭向けにも蛍光灯照明器具の製造・販売を終息するメーカーが相次いでおり、蛍光灯の使用は淘汰される方向へと情勢が大きく変化している。 なお、いわゆるレトロフィットの一種として蛍光灯器具に装着可能なLED管も存在するが、電球型蛍光管からの事実上の発展型である電球型LEDとは異なり、装着にあたって安定器をバイパスする工事を要するものや、スターター式のみ工事不要としているもの、完全工事不要のものなどが製品によりまちまちだったり、LED管自体も元来からのLED器具に装着するものと互換性がない等(元来からのLED器具に装着するものは蛍光灯器具に装着できないよう口金が片方異なる)で電球型LEDほどは普及しているとは言い難い。そもそもが直流駆動であったり、交流でも商用電源とは互換性のない高周波駆動であったりする車内照明用途では管自体の破損対策等もあり器具ごと交換するのが一般的となっている。
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