ホワイト水素
英語:white hydrogen
ホワイト水素とは、自然界に高濃度で存在し、天然資源として効率的に採取できる水素のことである。主に地中に埋蔵されているものや、地底の熱活動によって絶えず生成されている水素を指す。ホワイト水素の採取は、人工的に水素を製造する方式と比べて、コストや環境負荷が大幅に低いと見込まれている。
「ホワイト水素」という呼称は、エネルギー資源としての水素を、その製造方法や環境負荷の観点から区別する分類の一つであり、「グレー水素」や「グリーン水素」などと対比される。
- グレー水素は、化石燃料を使って水素を生成する方式であり、CO₂を排出するため環境負荷が高い。
- ブルー水素は、グレー水素と同様に化石燃料を用いて水素を生成するが、発生したCO₂を回収・貯留することで排出を抑える手法である。ただし、回収や貯留にはコストがかかるため、経済的な課題がある。
- グリーン水素は、再生可能エネルギーを活用した電気分解によって水素を製造する方式であり、CO₂排出がほぼゼロで環境負荷が極めて低い。しかし、発電コストや安定供給の課題があるため、大規模な導入には技術的なハードルが残されている。
2020年代半ば現在の時点では、ホワイト水素の実用化に向けて各国で研究や調査が進められている段階である。
- ホワイト水素のページへのリンク