環境負荷改善への取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 02:19 UTC 版)
「合成洗剤」の記事における「環境負荷改善への取り組み」の解説
上記のような背景があったことから、むしろ、消費者を敵に回してはならぬということで、日本では合成洗剤の改良が世界に先駆けて、メーカーの技術開発努力として強力に推し進められていった。今日の合成洗剤の“常識”とされているこれらの点のほぼ全てが、日本で開発された技術である。特に力を入れていたのがライオン油脂であった。 ライオン「ダッシュ」(第1期) 1967年(昭和42年)発売。主要となる界面活性剤を、生分解しにくいABSに代えて、よりたやすく生分解されるアルファオレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)系に変更した。 ライオン「せせらぎ」 1973年(昭和48年)発売。助剤であるリン酸塩を廃したが、洗浄力の低下が著しく、評価が低かった。さらに同年に発生したオイルショックの影響で、合成洗剤自体がパニックによる買い占めから品薄となり、洗濯石鹸の緊急出荷で不足する需要分を補ったという背景により、発売から3ヶ月で販売中止となってしまった。 P&G「無リン全温度チアー」 1977年(昭和52年)発売。1973年(昭和48年)に日本法人を設立して本格的に進出を始めたP&Gが最初に直面した問題が日本における合成洗剤忌避の声であった。そこでアメリカで開発された商品である。助剤としてリン系化合物に代えて水質汚濁を及ぼさないゼオライトを使った。世界で二例目の商品。しかしやはり洗浄力の低下は覆い難く、当初「アメリカ製の高性能洗剤」として日本市場に割って入った「チアー」は後述の「トップ」の登場後は後塵を拝することになる。 ライオン「無リントップ」 1980年(昭和55年)発売。リン系化合物に代わる助剤として酵素を使用した世界初の合成洗剤として発売された。有リン洗剤に勝る洗浄力を持つとしてたちまち市場を席巻し、競合他社も早期に無リン化を推し進めることになった。その後、「トップ」は同社の洗濯用合成洗剤のトップブランド名となる。
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