現在の日仏関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 10:02 UTC 版)
近年のフランスは日本との通商面や文化面での交流を強めている。一部ではこの関係が強まったことはフランスのジャック・シラク元大統領が親日家であったためとの見方を持っている。シラクは国家元首としては最多とされる40回以上の訪日経験を持ち、日本について精通している。フランスでは輸出奨励運動 Le Japon, c'est possible (ル・ジャポン・セ・ポシブル、日本語で「日本、それは可能である」)が行われ、また人材交流として外国語青年招致事業も盛んである。またパリ日本文化会館も開設されている。 ただしシラクの日本への傾倒には反対派からの批判が強く、上記の秘密口座疑惑に加え隠し子の存在も噂として流される事態となった。この反動もあり、保守派の国民運動連合から2007年フランス大統領選挙に勝利しながらシラクへの批判を続けていたニコラ・サルコジは2004年に「相撲は知的なスポーツでは無い」と語ったとして日本の平林博駐フランス大使に釈明する事態を招き、同大統領選挙の決選投票で敗れたセゴレーヌ・ロワイヤルは日本のアニメに対し暴力的で性表現が多いという批判を続けるなど、クレッソンの「アリ発言」に続いてフランス社会党の有力政治家による日本への厳しい姿勢が報じられた。一方でフランス国民戦線のナンバー2(全国委員)を長く勤めたブルーノ・ゴルニッシュは日本留学を経験して日本人と結婚するなど、特にフランス政界での対日観は非常に多様で、時として上記のような舌禍も起こる不安定さをはらんでいる。また日本の政財界でフランスへの留学・赴任経験を持つ人物は、特に第二次世界大戦後はアメリカやイギリスと比較すると少ない。 なおパリ在住の文化史家である竹下節子もその著書のなかで、フランスは日本が歴史上主要国のなかで直接戦火を交えていない国であることを指摘している。ただし、実際には第二次世界大戦末期の明号作戦で日本軍がフランス領インドシナ軍と交戦し、これを制圧している他、フランス艦隊は下関戦争にも参加している。
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